2014年05月29日

編集部員募集

フォトジャーナリズム月刊誌「DAYS JAPAN」では、編集部員を1名募集します。
今回の募集は編集部のさらなる強化が目的です。そのため、編集経験がある方のみを対象とさせていただきます。

必要とするのは、次のような人です。
1 DAYS JAPANの方針や志を理解し、発刊を支えてくれる方。
2 編集の経験がある方。
3 雑誌編集に必要なスピードがある方。
4 DAYSの方針に沿ったビジュアルな企画力がある方。
5 ラフの作成・デザイン入れ・入稿に必要な技術、知識を持っていること
6 チームで仕事ができる方。
7 できれば英語力があること。
応募を希望される方は履歴書(写真貼付)と志望動機、DAYS JAPANの感想を以下までお送りください。

〒156-0043
東京都世田谷区松原1-37-19-402
DAYS JAPAN編集部員募集係

問い合わせは03-3322-0233
採用が決まり次第募集は打ち切らせていただきます。
どうぞ宜しくお願いいたします。

デイズジャパン
posted by デイズジャパン at 12:27| Comment(0) | 編集長便り | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年05月27日

DAYS JAPAN編集長の広河からのお願いです。

DAYS JAPAN編集長の広河からのお願いです。
私の編集長としての任期も、あと3か月となりました。
次期編集長への引き継ぎも、どんどん進めています。
彼女が特集「実測チェルノブイリ放射能汚染地図――福島の人が住む町と比較」として担当しました今月号も、おかげさまで売れ行き良好です。
特に福島県から多くの注文が来たことをうれしく思っています。

私の久しぶりのツイッターは、3月のチェルノブイリ汚染地で測定していた時の「戸惑い」から始まりました。
チェルノブイリでは立ち入り禁止地区で廃墟になっていた村で測定した値が、福島県の居住地区よりも低い値だったからである。それは事故から28年たって、
放射能の半減期があるのだから線量が低くなっているという理由では説明がつきません。チェルノブイリでは線量が低くなったからといって、住民が戻ってくることはないからです。
その内容はDAYSの今月号に掲載されました。売れ切れの書店も出ています。

そしてビッグコミックススピリッツ誌の「美味しんぼ」の「鼻血問題」が起こりました。政府も専門家も、この漫画たたきをして、「鼻血を出す人間などない」「不安をあおるな」と発言しているとき、私はDAYSのホームページのブログに
チェルノブイリ事故から約10年後におこなった健康調査のアンケート報告を発表しました。
( ブログ DAYSから視る日々5月14日: http://daysjapanblog.seesaa.net/article/396967390.html )
2万5千人の避難民調査の結果です。その結果、事故から1週間の間に鼻血を出した人は、約20%に及びました。
これは事故炉から3キロのプロピャチ市や17キロのチェルノブイリ市、さらに数十の30キロ圏の村々を含む調査の結果です。
また5月20日に発売されたDAYS JAPAN6月号に掲載した、茨城県の国営ひたち海浜公園の汚染地図は、当局を相当あわてさせたようです。
東京新聞は、DAYSの名前こそ出さなかったものの、DAYSによって指摘された汚染区域を急きょ測定し、立ち入り禁止の措置をした、と書いています。
DAYS発売から3日後に1万2000平方メートルが立ち入り禁止になりました。ツイッターのリツイートも一日数百件を超えました。

 またこの間に私は、沖縄県久米島に、福島の子どもの保養施設「NPO法人沖縄・球美の里」に行っていました。27回目の保養のためです。
この時久米島から25−28キロ離れた鳥島で、米軍が演習し、爆弾の噴煙が上がりました。メディアがキノコ雲と書いたため、核爆弾ではないかという問い合わせも多くありました。
私たちは測定し、また県が専門家を派遣し、いろいろ測定しましたが、核爆弾ではなかったようです。
 
ところで今日はお願いのメールを書いています。すでにDAYSのホームページなどでお知らせしていますとおり、
私の編集長引退が秒読みとなってきましたので、6月2日から28日まで、DAYS月間を催すことになりました。私にとってはこれが最後のDAYS写真展になります。
10年目を迎えましたDAYSとともに歩んできました月日が、その時々に起こった大変な事故、戦争などとともによみがえります。
多彩なイベントも催されますが、まず6月2日夜6時半からのオープニングトークに来ていただいて、写真をご覧になり、
そしてご友人にご紹介いただけませんでしょうか。参加費は無料です。DAYSとしては初めての丸の内進出です。
詳細と地図、お申し込み先などを以下に書きます。
心からよろしくお願いします.


広河隆一




DAYS JAPAN10周年企画展in触れる地球ミュージアム
いのちの地球でフォトジャーナリストが伝えたこと

http://www.daysjapan.net/event-info/event201403_2.html

日時:2014年6月2日(月)〜6月28日(土) 11:30〜19:30(日曜休)
入場無料
会場:触れる地球ミュージアムhttp://earth-museum.jp/access/

DAYS企画展.jpg

展示内容
●特別展示 触れる地球ミュージアム
 地球温暖化、雲の動き、資源をめぐる争いの歴史、渡り鳥が飛ぶ経路などを
デジタル地球儀「触れる地球」で体感できます。
●第10回DAYS国際フォトジャーナリズム大賞受賞作品展
●企画展 DAYSの伝えた10年
●世界のびっくりどうぶつ 最高に愉快な仲間たち
●広河驤鵐AYS JAPAN編集長引退記念写真展 ※この写真展のみ7月28日(月)まで開催します

イベント
6月2日(月)オープニングイベント
トークセッション
竹村真一(京都造形芸術大学教授)×広河驤(DAYS JAPAN編集長)18:30〜20:00
ささやかなパーティー20:00〜21:00
80席(それより多い場合は、立ち見になります)
参加無料・申込み制
お申込みはこちらのフォーム http://goo.gl/cEmg07
もしくは、kikaku@daysjapan.netまで。メールの場合は「オープニングイベント申し込み」と件名をいれてください。


6月21日(土)私ならこう使う「触れる地球」14:00〜16:00
DAYS JAPANボランティアの参加企画によるプレゼンテーション。
参加無料・申込み制
お申し込みは kikaku@daysjapan.net あてに、件名には「私ならこう使う触れる地球」と入れてください。


6月28日(土)広河隆一DAYS JAPAN編集長引退記念イベント
司会:おしどりマコ&ケン
広河驤黶@+ ゲストトーク 14:00〜16:00 ☆ゲストには、多彩な顔ふれが参加します!!!
ささやかなパーティー16:00〜18:00
参加無料、申込み制、先着順
お申込みはこちらのフォームhttp://goo.gl/gbcaip
もしくは、kikaku@daysjapan.net あてに、件名には「引退記念イベント申し込み」と入れてください。
posted by デイズジャパン at 21:01| Comment(0) | 編集長便り | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年05月25日

DAYSの放射能測定班について

こんにちは。編集部まるいです。

今月号の放射能汚染地図(チェルノブイリの廃村と福島の汚染比較、ひたち海浜公園)はご覧いただけましたでしょうか。そこでは、福島県の福島市、郡山市、伊達市で測定した放射能値を掲載していますが、いたるところで国の基準値を超える毎時0.23マイクロシーベルトを超えているのを見ていただけるはずです。

DAYS JAPANでは3・11の事故後、広河が中心となり、放射能を独自で計り地図にする「DAYS測定班」を立ち上げました。
測定をした場所の線量がグーグルアース(衛星写真)上に記録されるホットスポットファインダーという測定器を使い、班のメンバーが、地元の方の協力をえて福島県内や近県などを歩いて測定しています。そしてその結果をDAYS JAPAN誌面でお知らせしてきました。

福島県内にはいま、いたるところに国や県が設置したモニタリングポスト(空間線量の計測器)が設置されています。そしてそれらの計測値は各自治体のHPなどで公開されています。
しかし、果たしてそれで十分なのでしょうか。モニタリングポストの情報をすべてとし、「安全」と言い切って大丈夫なのでしょうか。

モニタリングポストは多く、除染が完了したところや比較的開けた場所に設置してあります。そして、当然ですが、その場所の計測のみ(定点観測)しかできません。ですが、私たちの測定でホットスポット(局地的に高線量な場所)が計測されるのは、例えばふとした道端や、溝、数個並んだベンチのひとつ、枯葉がたまっているところなど、モニタリングポストが置いてある場所「以外」のところです。そして、そういう場所の多くは、子どもたちの通学路になっていたりと、人々の生活圏に入り込んでいます。

怖いのは、数点のみの測定で、そのすべてのエリアが「安全」だとされ、ホットスポットが見過ごされることです。
人々は町中のいたるところに住んでいるのに、なぜ国や県、市の測定が、地図ではなく定点観測のみなのか。

実際、今月号で発表した茨城県の「国営ひたち海浜公園」も、DAYS測定班が測定する数日前の発表で、公園は、園内20数か所の測定結果を公表し「全エリアについて毎時0.23マイクロシーベルトを超えるところはありませんでした」と発表していました。しかし、高線量のホットスポットが見つかり、その結果立ち入り禁止となったのは、公園が毎月測定している場所以外のところでした。

事故から3年。空間線量が街全体の平均として高いところは減少しているかもしれません。しかし、福島市などではいまだ基準値を超える場所が約8割を占めています。
DAYSは、生活圏に、まして子どもの遊び場に放射能が潜むこと、それが放っておかれることをよいとは思っていません。

だから、DAYS測定班は、街中を歩いて、気になるところを調べ、地図にする測定が必要だと思っています。
今後も測定を続けていきますが、町の放射能情報などがございましたらお寄せください。
(info@daysjapan.net)
よろしくお願いします。

まるい

※写真はデイズ事務所前で、ボランティアさんに協力いただきました。
山くんありがとうございます!

写真.JPG
posted by デイズジャパン at 18:46| Comment(0) | 編集長便り | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年05月16日

【実測・チェルノブイリ放射能汚染地図〜福島の人が住む町と比較】DAYS JAPAN 6月号

『2014年3月末、本誌編集長広河隆一が、事故後28年目のチェルノブイリに入った。放射能の空間線量を計る測定器ホットスポットファインダーを持ち、一般の人々の立ち入りが厳重に制限されている10キロ圏内に入る。そこで示されたのは、私たちが福島で測定している数値とそれほど変わらない線量を示す数字だった』本誌リード文より

事故から3年目の1989年3月にチェルノブイリでの取材をはじめた編集長広河。
汚染された地域に住む人々の窮状を目の当たりにし、チェルノブイリ子ども基金を設立。
これまで25年以上にわたり子どもたちへの支援と取材を続けてきた。

その広河が今年3月再びチェルノブイリを訪れ、自らの足で
チェルノブイリ原発ゼロ地帯を測定した結果、驚くべき事実が明らかになった。

『強制避難がされ、廃村となり、家々が地下に埋められているという結果となったチェルノブイリの決断が正しいのか、それとも同じがそれより高い数値なのに「安全」として、子どもも住むことを薦める日本のやり方が正しいというのか。はっきりさせなければならない。
同じ測定器を使って、チェルノブイリと福島を測った結果が、このようになることは全く予想しなかったわけではなかった。しかし、実際の数値を突き付けられたとき、私の頭は混乱した』
6月号本文より

本誌では特集の最初にチェルノブイリ10キロ圏の広域地図の汚染マップを掲載。
その後のページでは広河自身が測定した以下の地域が掲載されています。

6_P10-21_osenmap_seki_07-1.jpg

●チェルノブイリ原発ゼロ地点

●プリピャチ市中心部
「原発から3〜4キロに位置するプリピャチ市には事故前、
原発で働く人々の家族ら約5万人が住んでいた。
事故翌日、住民らは用意されたバスで避難し、今は『死の街』になっている」

●ノヴォシュペリチ村
「原発から10キロ圏内に位置する。事故前は幼稚園や学校、食糧品店、図書館、
などがあり人々の活気があったが、今は住民が避難し、ひっそりと静まり返っている」

●トルストイレス村
「事故前に約460の家族が住んでいたといわれるこの村の真上を、
高濃度の放射能雲が流れていった。緑が溢れ、自然豊かだった村は、
今は廃墟となっている。原発から20キロの地点」

●ステチャンカ村
「原発から17キロにある村。当時、500世帯約2000人が住んでいた。
村は廃墟となり、絶望した村人が放った火で焼け落ちた」


福島県の居住地の測定値も同時に掲載いたしました。

●福島県郡山市中心部(2013年8月10日)
●福島県福島市(2013年4月〜6月)
●福島県田村市三春町(2013年1月20日)


また、小出裕章氏(京都大学・原子炉実験所)が「チェルノブイリの汚染と福島の現在の汚染」として、広河が視たチェルノブイリの現在を分かりやすく解説

もちろん現地で広河が撮影した最新のチェルノブイリの写真も多数掲載されています。時間の推移とともに、被害の本質が浮かび上がってくるのには、胸が痛くなってしまいます。

6月号は「色も匂いも、味もない」放射能の存在を
「視て、読んで、確かめる」ことができる一冊になりました。
広河はじめDAYS編集部渾身の誌面

hyoushi-06_02_02.jpg

書店での発売は5月20日(火)となります。
部数に限りがございますので、ぜひお早目に。

どうぞよろしくお願い致します。

営業部
佐藤典子



posted by デイズジャパン at 16:13| Comment(0) | 営業部 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年05月14日

チェルノブイリでは避難民の5人に1人が鼻血を訴えた 2万5564人のアンケート調査で判明

【チェルノブイリでは避難民の5人に1人が鼻血を訴えた】
2万5564人のアンケート調査で判明


『ビッグコミックスピリッツ』(小学館)に掲載中の漫画「美味しんぼ」の「福島の真実」篇に多方面からの抗議が寄せられているという。問題になったのは次の2点である。

・原発を訪れた主人公が鼻血を出すシーン
・そして疲労感を訴えるシーン

特に鼻血が「ありえない」「不安をあおる」といった抗議を受けた。
疲労感については、福島原発事故の後に私自身が経験している。2011年3月13日朝から原発周辺での取材を繰り返した後、持っていた測定器が振り切れるという経験をして、その後4 月に突然非常な疲労感と下痢が襲ってきた。被曝と疲労感が関係あるのかどうか、あとで数字を見てもらう。
鼻血はどうか。私自身は鼻の粘膜の異常を感じることはよくあった。しかしはっきり流れるほどの鼻血は経験していない。

私は2012 年7 月に沖縄県久米島で福島の子どもたちの保養施設「沖縄・球美の里」を設立し、運営している。ここにこれまで訪れた保護者たちから、鼻血の話題はよく聞いた。福島でも聞いている。だから誰でも知っていることかと思っていた。だがこれほど大騒ぎになって、「ありえない」とか「事実無根」とか聞くと、そんなに完全に打ち消そうとするということは、どのような意図が働いているせいかと疑ってしまう。これほど大きく問題にすると、かえって「住民の不安をあおる」ことになってしまうではないかと思う。鼻血は出ると訴えている人がいることを認めた上で、それが大きな病気に結びつくのを防ぐためにはどうすればいいのかを話す方が建設的ではないかと思う。

私は1986年のチェルノブイリ原発事故以降、50 回を超えて現地での取材と救援活動を続けている。そしてこの3月、映画取材班とともに、チェルノブイリを5年ぶりに取材した。ウクライナの高濃度汚染地域であるナロジチ地区のナロヂチ市中央病院の副院長に、日本では福島原発事故の後、鼻血がでた子どもが増えたという声を聞くが、チェルノブイリではどうだったのか、と聞いた。すると副院長は「チェルノブイリでも
事故の後、鼻血が増えた」と答えた。被曝によって血液系統の病気が増えた。鼻血もそうだが、貧血も増えたということだった。白血病の前段階の症状も増えたという。

1990 年、IAEAはチェルノブイリの調査団を派遣し、翌年、健康被害の不安を打ち消す報告書を発表している。その報告に疑問を持った私たちは、広河事務所とチェルノブイリ子ども基金(当時は私が代表だった)共同で、現地NGOの協力を得て、1993年8月から1996年4月まで、避難民の追跡調査を行ったのだ。

調査項目は数百にのぼり、アンケート形式で本人あるいは家族に書いてもらった。回収できたアンケートは2万5564人分である。チェルノブイリ避難民のこれほど大掛かりなアンケート調査は、ほかにはないと思われる。私たちにそれができたのは、これが救援目的におこなった調査だからである。人々の健康状況を把握できなければ、どのような救援を行っていいのかわからないからだ。

アンケート調査は困難だったが、私たちにはIAEA にはない強みがあった。それはそれまでの救援活動の実績と現地の人々との信頼関係、チェルノブイリ支援の現地NGOとのつながり、である。ほかならぬ被災者に会うことが、私たちの仕事だったということもある。

この報告書は日露版の冊子の形で発行され、この3・11後にその一部を『暴走する原発』(小学館)に収録した。その結果から、鼻血と疲労に関する数字を中心に見ていきたい。ただ人々を襲ったのはもっと多様な症状だったので、それらも記載しておきたい。

●プリピャチ市(原発から約3キロ)の避難民アンケート回答者9501人
「事故後1週間に体に感じた変化」という質問に、人々は次のように答えた。
頭痛がした 5,754 人 60.6%
吐き気を覚えた 4,165 人 43.8%
のどが痛んだ 3,871 人 40.7%
肌が焼けたように痛んだ 591 人 6.2%
鼻血が出た 1,838 人 19.3%
気を失った 880 人 9.3%
異常な疲労感を覚えた 5,346 人 56.3%
酔っぱらったような状態になった 1,826 人 19.2%
その他 1,566 人 16.5%

「その人々の事故から約10年後の健康状態」
健康 161 人 1.7%
頭痛 7,055 人 74.3%
のどが痛む 3,606 人 38.0%
貧血 1,716 人 18.1%
めまい 4,852 人 51.1%
鼻血が出る 1,835 人 19.3%
疲れやすい 7,053 人 74.2%

風邪をひきやすい 5,661 人 59.6%
手足など骨が痛む 5,804 人 61.1%
視覚障害 2,773 人 29.2%
甲状腺異常 3,620 人 38.1%
白血病 50 人 0.5%
腫瘍 440 人 4.6%
生まれつき障害がある 34 人 0.4%
その他 1,715 人 18.1%

「現在の健康状態は事故の影響だと思っているか」
100%事故が原因である 47.3%
かなり事故が影響している 14.5%
全く事故と無関係ではない 38.2%
事故とは無関係である 0.0%
健康である 0.0%

念のため、数は多くはないが、比較対象のために行ったモスクワ市民の集計(316 人)
は次のとおりである。
「現在の健康状態」
健康 173人 54.7%
頭痛 53人  16.8%
のどが痛む 27人 8.5%
貧血 6人 1.9%
めまい 22人 7.0%
鼻血が出る 10人 3.2%
疲れやすい 67人 21.2%

風邪をひきやすい 56人 17.7%
手足などの骨が痛む23人 7.3%
視覚障害 51人 16.1%
甲状腺異常 11人 3.5%
白血病 2人 0.6%
腫瘍 8人 2.5%
生まれつき障害がある 0人 0%
その他 22人 7.0%

●チェルノブイリ市(原発から約17キロ)の避難民のアンケート回答者2,127 人
(人々は事故からおよそ8〜9日後に避難した)
「事故後1週間に体に感じた変化」
頭痛がした 1,372 人 64.5%
吐き気を覚えた 882 人 41.5%
のどが痛んだ 904 人 42.5%
肌が焼けたように痛んだ 151 人 7.1%
鼻血が出た 459 人 21.6%
気を失った 207 人 9.7%
異常な疲労感を覚えた 1,312 人 61.7%
酔っぱらったような状態になった 470 人 22.1%
その他 287 人 13.4%

「現在の健康状態」
健康 58 人 2.7%
頭痛 1,587 人 74.6%
のどが痛む 757 人 35.6%
貧血 303 人 14.2%
めまい 1,068 人 50.2%
鼻血が出る 417 人 19.6%
疲れやすい 1,593 人 74.9%
風邪をひきやすい 1,254 人 59.0%
手足など骨が痛む 1,361 人 64.0%
視覚障害 649 人 30.5%
甲状腺異常 805 人 37.8%
白血病 15 人 0.7%
腫瘍 80 人 3.8%
生まれつき障害がある 3 人 0.1%
その他 426 人 20.0%

●チェルノブイリ地区の村々の避難民12,864 人の回答
「事故後1週間に体に感じた変化」
頭痛がした 7,805 人 60.7%
吐き気を覚えた 5,497 人 42.7%
のどが痛んだ 5,160 人 40.1%
肌が焼けたように痛んだ 813 人 6.3%
鼻血が出た 2,491 人 19.4%
気を失った 1,194 人 9.3%
異常な疲労感を覚えた 7,259 人 56.4%
酔っぱらったような状態になった 2,471 人 19.2%
その他 1,966 人 15.3%

●ノヴォシュペリチ村(原発から6キロ)の避難民の回答者351 人
「事故後1週間に体に感じた変化」
頭痛がした 216 人 61.5%
吐き気を覚えた 158 人 45.0%
のどが痛んだ 124 人 35.3%
肌が焼けたように痛んだ 19 人 5.4%
鼻血が出た 65 人 18.5%
気を失った 35 人 10.0%
異常な疲労感を覚えた 192 人 54.7%
酔っぱらったような状態になった 69 人 19.7%
その他 55 人 15.7%

「現在の健康状態」
健康 4 人 1.1%
頭痛 264 人 75.2%
のどが痛む 114 人 32.5%
貧血 55 人 15.7%
めまい 171 人 48.7%
鼻血が出る 70 人 19.9%
疲れやすい 268 人 76.4%

風邪をひきやすい 225 人 64.1%
手足など骨が痛む 211 人 60.1%
視覚障害
80 人 22.8%
甲状腺異常 110 人 31.3%
白血病
0 人 0.0%
腫瘍 19 人 5.4%
生まれつき障害がある
0 人 0.0%
その他 86 人 24.5%

●ポレスコエ地区(原発から約45キロ)避難民の回答者1,005 人
「事故後1週間に体に感じた変化」
頭痛がした 623 人 62.0%
吐き気を覚えた 380 人 37.8%
のどが痛んだ 420 人 41.8%
肌が焼けたように痛んだ 76 人 7.6%
鼻血が出た 292 人 29.1%
気を失った 166 人 16.5%
異常な疲労感を覚えた 595 人 59.2%
酔っぱらったような状態になった 215 人 21.4%
その他 92 人 9.2%

「現在の健康状態」
健康 29 人 2.9%
頭痛 705 人 70.1%
のどが痛む 361 人 35.9%
貧血 133 人 13.2%
めまい 435 人 43.3%
鼻血が出る 216 人 21.5%
疲れやすい 675 人 67.2%

風邪をひきやすい 528 人 52.5%
手足など骨が痛む 651 人 64.8%
視覚障害 185 人 18.4%
甲状腺異常 306 人 30.4%
白血病 2 人 0.2%
腫瘍 25 人 2.5%
生まれつき障害がある 2 人 0.2%
その他 162 人 16.1%

このほかアンケートを行ったのは、約40の市や村である。その避難民の統計を見ても、
同じような数字の傾向となっている。鼻血と疲労感だけを抜き出して見ると次のように
なる。
●ナロヂチ地区の場合(194 人)
「事故後1週間に体に感じた変化」
鼻血が出た 47 人 24.2%
異常な疲労感を覚えた 111 人 57.2%

「現在の健康状態」
鼻血が出る 40 人 20.6%
疲れやすい 143 人 73.7%


●ナロブリャ地区の場合(1881 人)
「事故後1週間に体に感じた変化」
鼻血が出た 323 人 17.2%
異常な疲労感を覚えた 921 人 49.0%

「現在の健康状態」
鼻血が出る 195 人 10.4%
疲れやすい 975 人 51.8%


●ホイニキ地区の場合(908 人)
「事故後1週間に体に感じた変化」
鼻血が出た 124 人 13.7%
異常な疲労感を覚えた 443 人 48.8%
「現在の健康状態」
鼻血が出る 72 人 7.9%
疲れやすい 445 人 49.0%


●ブラーギン地区の場合(1,019 人)
「事故後1週間に体に感じた変化」
鼻血が出た 161 人 15.8%
異常な疲労感を覚えた 677 人 66.4%

「現在の健康状態」
鼻血が出る 119 人 11.7%
疲れやすい 492 人 48.3%

(アンケートの翻訳には、東京外国語大学のロシア語科の学生を中心に、約60名が協
力してくれた)

2014 年5 月13 日
株式会社デイズジャパン
「チェルノブイリ子ども基金」前代表
広河隆一

※DAYS JAPAN6 月号(5 月20 日発売号)では、チェルノブイリの実測放射能汚染地
図と、福島の人が住む町との比較を紹介します。
posted by デイズジャパン at 08:55| Comment(0) | 編集長便り | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする