2009年07月21日

名古屋展来場者の声

 名古屋の写真展に来てくださった方が、素晴らしい詩をつくってくださいましたのでご紹介します。


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〜マナウスの土は湿っている〜


マナウスの褐色の土は
胸底からこみあげる唾液によって湿っている
泥が顔まで飛ぶ
泥が足跡を埋める

立ち退きを迫る
顔のない隊列
抵抗を踏みつぶすプロテクターの隊列
その覗き窓のある盾の前進
その声のないこん棒の突出
マナウスの顔のない武装した隊列

隊列に立ち向かう母の腰はゆがむ
盾とこん棒に立ち向かう腰よ
赤子の重さをも助けとして踏んばる脚よ
盾とこん棒に立ち向かうのは一人ではない
叫んでいるのは一人ではない
母と子の吐き出す唾液がすべての排除された者の怒りの動悸を伝える

汗に濡れた皮膚が疑いのない生を伝え
脈動の行方を指ししめす
母に抱かれた赤子は隊列を見上げる
母に振りおろされるこん棒を見る
その衝撃を目を一杯見開いて
胸を高鳴らせて受けとめる

法が執行される日に
その非法に対して立ち向かうのは
打算をこえる目
犯されざる胸の高鳴り
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2009年07月20日

読者の声 2009年8月号no.3

世界報道写真展の感想ですが、大賞を受賞したアンソニー・スアウ氏のアメリカ経済危機で、経ち退きを言い渡された家族が住んでいた家の中を確認する警察官の写真についてですが、家の中の様子からも確かに経済危機がいかに家族に大きな影響を与えたかということが伝わることは伝わるのですが、この写真が大賞になった理由が今だによく分かりません。写真展の会場に入った時にやたらとアメリカの作品が多かったのが気になりました。それも、日常生活の部のニューヨークの「シングルマザー」の作品やポーランドのオフィスでコーヒーを飲む男性の写真など、他の国でも同じような状況の写真を撮影出来るのではないかと思うような、写真があったような気もします。

また、ブラジルで警察の立ち退きの要求に対抗する女性の写真は、2年前に同じ賞を受賞したイスラエルの女性が同じ様に1人で立ち退きに対抗する写真ととても似ているような気がしました。絵的に見ると、女性が権力に対抗しているような写真に見て取れるのですが、その背景を知ってから写真を見ることの重要さを改めて教えられたような気がします。

今年のDAYSの大賞も受賞したワルテル・アストラダさんの作品ですが、やはりとても迫力があって、1枚1枚が選挙後の暴動がどのようなものであったかを説明するのに力がある写真だと思います。
さらに、瞬間の表情や瞬間の出来事を撮影したフォトグラファー自身の作品に対する責任のようなものも感じられました。恐怖におびえる男の子の名前や年令をキャプションに記述していることからも、その場で彼自身が見た状況をしっかり取材しているのだということが分かりました。

また個人的にですが、中国の1本の木の周りで起こる色々な物語を四季の流れを通して記録した作品から生命力を感じました。
(20代/女性)
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読者の声 2009年8月号no.2

ヒロシマ・長崎から始まり、核戦争は秘かに行なわれている事実を痛感した。秘かに行なわれている核戦争は国や国連が真っ向からその多大なる被害を隠ぺいしようとする。そしてまた新たない核戦争を行なう。チェルノブイリやセミパラチンスの核被害はいまだに続いて多くの犠牲者を出している。核の恐ろしい想像に絶する側面を国は真っ向から否定し新たに核実験や原子力発電所、はたまた原子爆弾を作ろうとする。私は今回の核の特集を読み、核の恐ろしさをもっと伝える必要がある事を改めて思った。ベトナムの枯葉剤は戦争犯罪である事をアメリカ国民の多くは認めているにも関わらず、国家はなぜ認めないのか。原爆、原発、枯葉剤など国家的な利益が伴うと道徳心や人間としての常識、知性はなくなってしまうのだろうか。
(20代/女性)
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読者の声 2009年8月号no.1

放射能事故がどれほど危険であるか、人体に及ぼす影響がはなはだしく、何世代にもわたって被害を与え続ける」というようなことをよく活字で目にしますが、写真でビジュアルで見ることのほうが問題がより鮮明に写って、原発問題を写真で写すことは大きな意味があると思いました。

チェルノブイリ原発事故から23年の月日が流れ、間接的な被爆者が苦しんでいるという現状を知りただ悲しく思います。今月号の表紙の少女の遠くを見つめるような悲しみに満ちた表情には吸い込まれました。とても印象的でインパクトのある写真です。このような写真は私に「世界で様々なことが起こっていて、何の罪も無い人々が苦しみ悲しみの中で生きている」ということのイメージを意識の底から呼び起こしてくれます。

日本人には、イメージすること(想像力)が何よりも大切だと思います。時期もあってか最近よく地元の友達と遊ぶことが多くなり、自分のやっていることについて話すことがあります。しかしまるで理解を示してくれないというのが実際です。今フォトジャーナリズムを学ぶ私でさえイメージする能力に欠けているのに、日々の遊びに夢中の人たちにイメージしてもらう事ははなはだ困難なことであると感じました。だからこそ「フォトジャーナリズムや世界で起こっていることに興味関心が無い人」に、何かしらのインスピレーションを与え、イメージしてもらうには「インパクトのある一枚の写真」が必要だとひしひし感じました。

また私くらいの年齢層がそういったことに興味を持ち、イメージする力を養っていけばより高いレベルのジャーナリズムが下からだんだんと底上げされて行くのではないかと思います。
(20代/男性)
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2009年07月12日

世界報道写真展とDAYS写真賞(読者の声2)

先日、世界報道写真展を観に行ったが、DAYS JAPANと世界報道写真展の違いは、状況を伝えるか、問題を伝えるかの違いであると思った。

世界報道写真展では、写真によりその状況が分かるが、そこからの問題を考えるのは、自分の作業であるように感じる。キャプションで短くその状況を説明しているが、そこに内在する問題を理解するには、その国や人、宗教、事件など様々なことに関する自分自身の知識が必要だ。
また、中には「問題提起」ではなく、「報道」ですらないし、単なる「芸術作品」、または、ユニーク性を評価したのか…?というような、なぜ「報道写真」の賞をとったのか分からない作品もあった。

DAYS JAPANでは、その状況よりももっと奥深くにある問題が、ストレートに伝わってくる気がする。文章を伴った「記事」であるから、知識がなくともより状況や問題を理解しやすいからということもあるかもしれない。それでもやはり、DAYS JAPANに掲載される写真からは、常に、向かい合えといわれているような、写真が私に語りかけているような力を感じてしまう。写真を見た途端に、心を何かに刺されるような、何かが入ってくるような感覚を覚えることがしばしばある。
(20代/女性)
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2009年07月09日

世界報道写真展とDAYS写真賞(読者の声1)

世界報道写真展に行かれた方がDAYS JAPANが開催するDAYS写真賞の違いについて感想を書いて下さいました。
皆さまのご意見・ご感想もお待ちしております。

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報道写真とドキュメンタリー写真との違いについて考えさせられた。世界報道写真展で大賞に選ばれたアンソニー・スアウの写真は、ローン返済不能に陥った住民に対する住宅の差し押さえの様子を捉えた写真である。荒れ果てた室内を、拳銃を構えた保安官が、残った住民がいないかを確認している。確かに、2007年の米国での住宅バブルの崩壊から始まり、現在に至るまで続く世界同時不況の裏側で、震源地の米国ではこのような事態にまでなっていることをこの1枚の写真から知ることができる。報道写真とは、「時代」を映し出すことが目的であるように感じた。
しかし、広河さんのお話にある「人間の尊厳を問う」というDAYS JAPAN流の視点で考えると、上記の写真で銃口を向けられることになった人間や、金融ゲームの末に財産を失うことになった人間に対してカメラを向けるべきだという使命感のようなものが少しずつ芽生えてきた。もちろんアンソニー・スアウの写真のような視点で捉えた写真から、「こんなことが起こっているのに黙ってていいのか?」と逆説的に問うことも有りだとは思う。ただ、ドキュメンタリー写真として時間をかけて人間を追いかけるのであれば、村上春樹のイスラエルでのスピーチのように、「いつも卵のそばにいる」べきなのだろうと考えるように
なってきた。

四川大地震を伝えるのが中国人であり、インドのテロを伝えるのがインド人であった。二人の日本人が伝えたものは日本ではない。社会党の浅沼委員長刺殺の瞬間を捉えた毎日新聞の長尾靖さんは、日本を写して大賞をとっていたことを考えると、DAYS JAPANの写真展での広河さんの講評にもあったように、日本人が日本を撮って伝えることへの責任を感じた。

■世界報道写真展2009
 http://www.syabi.com/details/wwp2009.html
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2009年07月07日

読者の声 2009年7月号no.8

まず、いつものことながら思うのは世界中のテーマの重いトピックが掲載されているので読む人にはとっては絶望感を感じえずにはいられないのではと思うのですが、その反面ある種の希望みたいなものをも同時に考えたりもします。というものやはり、たとえテーマが重くても自分が囲まれている世界の状況を知ることによって何ができるかを考えていけるのだと思うからです。
 
さておき、今回メインで際立ったトピックとしてイラクの日本大使襲撃とソマリア・タリバンの「敵」の姿だと思うのですが、日本のアメリカ追従政策としての自衛隊派遣とその法改正を改めて疑問に感じさせるトピックのように思います。

ただ一つ今回気になったことですが、19ページの写真のキャプションに「海賊は、援助物資を運ぶ人道機関の船を襲うことも躊躇しない。そのため、ソマリアの人々には食糧が届かない」とある箇所だけ、それまでの写真とそのキャプションと、また下の文章との整合性とのずれがあるのでは?と疑問に感じました。その箇所以外はどちらかと言えば「海賊」擁護と言いますか、その「海賊」に仕立てた一端は先進国にあるんだ、という論調なのですが、そこの19ページのキャプションだけそれまでの論調からずれるような、今度は「海賊」によって被害を被っている人々がいるということを指摘しています。もともと海賊という言葉自体がネガティブなイメージを与えかねないのに、この写真とキャプションを加えることで、「やはり、海賊はいかん!」という風にも捉えられるのではないかな、と感じました。

ただ、今こう考えながら文を書いているうちに、これも編集部の狙いで現地のあるがままの姿を載せようということで、「海賊」による現地人への必要な物資が届かないという二次被害を表現したかったのか?とも考えています。そして、そういった二次被害も含めて先進国のエゴに責任はあるのだと。「海賊」という言葉を使うことによって表現できることが限られてしまう、何かそういったものを感じさせるトピックでもありました。

非常に難しいですが、言葉の定義を考えさせられます。海賊という表現は結局西洋先進国、日本も含めたそれらの諸国が自らを被害者として使ってるに過ぎず、そして自らの利権拡大を正当化する上で都合の良い、また二項対立を生む表現であると考えます。西洋諸国がアラブや東洋を自らのネガとしてオリエントと呼んだ、同じものをこのトピックで感じました。

こういった海外への軍事拡大路線っていうのは、本当に現地人の反感を呼びテロと先進国で呼ばれる過激な活動や民族ナショナリズムを余計に刺激するものだと考えています。ちょうど昨年、ペシャワール会のNGOワーカーが殺害されたようにNGOに対する目も厳しくなるのでは?と考えます。

チョムスキーが今回指摘しているように、現地人による話し合いによる統治が一番で、それこそ平和に落ち着くのだと思います。本当に重要なのは基本的なもの、福祉や教育、食糧問題であって、軍事による解決というのは最終手段として自衛に徹する意味なら肯定できますが、それ以外はどうしても社会の成長に無理を強いるものなのでしょう。こう考えていくと、イラクやソマリア、タリバンの人々こそ自衛に回っているように見えます。国際法や国連決議に違反してまで進めた今回のイラク戦争、大量破壊兵器も見つからないと言われていますが、結局その最終的な責任やツケは誰が取るのか?そしてそういったチェックシステムなどどうなっているのか疑問です。

おそらく祝島の原発建設のこととも繋がっていくことでもありますが、住民自治、地方分権化を確立していくこと、中央集権への依存から離れていくことというのが日本のみならず、国際平和においても共通していくのだと思います。
発展途上国と呼ばれる国はこれからますます近代化の波が押し寄せることは必死だとおもあいますが、それこそアメリカ、日本を始め先進国が果たす役割はそういった統治システムを話し合いなり、提示していくことなのかもしれません。
(30代/男性)
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読者の声 2009年7月号no. 7

ソマリアの海賊が「海賊」になってしまった由来についての取材は、ソマリアと日本をはじめとする先進国との関係性が見える点と、「私たちの同胞たちの身を危険にさらし、ものを奪っていく悪い奴ら」という無条件の悪者に対応するための自衛隊派遣という構造で報道され、理解されがちであるところを、ソマリアの人々の立場から歴史的経緯をさかのぼった報告である点が非常に勉強になりました。一面的に見られがちな問題を別の角度から見る、知りたいことと知らなければいけないことは必ずしも一致しないが、遠いソマリアの問題は「自分と関係がある」と思い出させるような記事だと感じました。また、ソマリア沖に核廃棄物を捨てていたという事実には衝撃を受けました。
ソマリアの問題にしても大使襲撃事件にしても、権力を持つ側が国民に知らせないでおこうと考える事実は実際に国民の耳にとどいてこず、国民の方も選挙権を持つ者として隠された事実をしる必要があるにもかかわらずメディアコントロールされていることにも気付かない、問題意識を持たない、当事者だと思えない、という構造は変えられなければいけないと再認識しました。
また、私は2年間マレーシアに住んでいたのですが、国民の側が政府の発表がすべてではないことを見抜き、インターネットのブログという形で活躍するジャーナリストたちがたくさんいました。新聞も与党関連企業が発行しているので、目は通すもののインターネットでの情報がより信憑性をもっているようでした。もちろんマレーシア政府のやり方が露骨すぎてすぐ国民の方でわかりやすいという違いはありますが、当事者であるという意識が非常に強いと感じました。日本の「与党に常に不満はあるものの、なんとなくいつもいれているから」と最終的には自民党が与党でありつづけるという無気力さのなかで、DAYS JAPANは目をそむけたい事実を思いださせてくれるような雑誌だと思います。
(20代/女性)
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読者の声 2009年7月号no. 6

「敵」の姿 ソマリアに関して感想を寄せさせていただきます。

日本政府はソマリアの海賊を一方的に悪とみなして自衛隊派遣を決めた。自衛隊のイラク派遣、インド洋イージス艦派遣の時、あれほど憲法論議がされたことと比べて今回の決断の早さを見ればそれが分かる。私が知る限り世論も特に抵抗がなかったことも早期決断に至った一つの理由ではないだろうか。マスコミもそのような国全体の空気に流され、このソマリア海賊に関しては一部(確か報道ステーション)を除いては一方的な決め付けでの報道がされていたように思う。
ここから読み取れることは我々日本人は”経済”ということを最優先の価値として行動をとり、経済活動を妨げるものは悪と見なす、そんな傾向があるのではないだろうか。
その意味で今回のDaysのソマリア海賊特集はソマリア海賊誕生の原因究明に一石を投じて、この海賊行為がビジネスとして成り立ち、ソマリア国内では憧れの対象としてあることも伝えてくれた。掲載された海賊の男の顔写真がその憧れの対象となって海賊行為を行っていることへの誇らしさを伝えてくる。自分たちが生きて行くには当然のことなのだ、と。

軍事力を派遣して力でねじ伏せる解決策ではなく、ソマリア国内の現状を知ること、また海賊を誕生させた原因は我々先進国の経済第一主義にあるということを肝に銘じて考えて行く解決策が必要ではないだろうか。その一歩が真の国際貢献への一歩である気がする。
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読者の声 2009年7月号no. 5

@「敵」の姿の特集の二枚の見開きの写真
Aフィリピン人妻への虐待の目のアップの写真
B南アフリカ共和国新しい差別の見開の写真
この三つがとても印象深かったです。

@一つ目の敵の姿の特集の写真は印象深いというよりは衝撃的でした。私は日々のニュースや新聞で特に最近は海賊報道を耳にし目にし、それらをただただ鵜呑みにして本当のことを全く知りませんでした。無知な自分を恥じました。この写真こそフォトジャーナリズムの真骨頂なのではないかとも思いました。この写真は、私が普段から「敵、悪い」と思っていることに対して、疑問を持って接し、物事の裏を見る想像力といいますか、考える力が必要だということを訴えかけるような写真でした。また「どうやってこの写真を撮ることができたのか?」ということが、一番の疑問です。その人に会って話を聞きたいなと思いました。

A「目は魂の強さを表している」というようなことを先週、DAYSフォ府とジャーナリスト学校で、講師の樋口健二さんもおっしゃっていて、目のアップの写真がなんだか一番人の心に訴えかけるというか深みがあるというか。フォトジャーナリストにとって、近づいて撮ることがどれだけ重要かつ必要なことかをひしひしと感じさせる一枚でした。

Bこの写真は「人々の狂気によって爆発したら何が起こるかわからない」という恐怖を感じさせます。また南アフリカは来年のサッカーワールドカップの開催地であると知っているため、このような出来事はより印象深く自分の胸に響きました。初のアフリカ開催で新聞やニュースで特集が組まれ「ワールドカップ開催によってたくさんの雇用を生み、アフリカの躍進が期待されている」と言った報道がされていました。「果たしてそうなのか?」と感じました。、ワールドカップ開催のその「裏」に隠されたものを見る必要があるのではないかと。(実際に裏があるかどうかは全くわかりませんが)話が逸れましたが、そういったテーマも興味深いと思いました。
(20代/男性)
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読者の声 2009年7月号no. 4

「敵」の姿 1ソマリア海賊
ヴェロニク・ド・ヴィゲリーさんが伝えた「海賊」に至るまでの経緯については、なんとなく想像が出来ていた。これに続く2タリバンにもあるアフガニスタンやイラク等のように大国の利益を巡る構図があるのだろうとニュースを見るたびに思っていた。しかし、実際にジャーナリストとして現地に赴き「海賊」を取材してしまうほどのスキルがない私には、写真を見たときに「やられた。」という思いだけが強く残った。元漁師の男の写真は、前回の講義で、樋口さんがクローズアップの課題への趣旨として述べられたことがそのまま実行されているように感じるほどインパクトのある一枚であった。

(30代/男性)
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読者の声 2009年7月号no. 3

私が最も関心をよせたのはヴィゲリー氏による「タリバン」という記事でした。タリバンに待ち伏せされフランス兵10人と通訳が殺された事件で、死んだフランス兵から奪った迷彩服と銃を装着したタリバン兵士の写真はとても衝撃的でした。

私が思ったことは、この写真の存在価値でした。ヴィゲリー氏自身本国フランスで非難されていると書いていますが、この写真は世に送るべき写真なのかということに、私も一瞬疑問を持ちました。
全て真実なのかもしれません。しかしこの写真が与える影響はフランス人の反タリバン感情を一気に増幅させ、戦火を広げさせる発火剤になってしまうのでは、と感じました。たとえ真実でもその写真が争いを招くものであれば、世に広めるべきではないのではないか、とこの写真と記事を読んで考えさせられました。
(20代/男性)
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2009年07月02日

読者の声 2009年7月号no. 2

7月号の感想がまた寄せられていますので
ご紹介させていただきます。 

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日本大使一行の襲撃事件の記事とても興味深かったです。
「米軍を警護に使う使うこと自体、市民にとっては受け入れがたいことだった」
という記述が、現場からの視点をうまく伝えていて良かったと思います。

とくに感想を送りたいと思ったのは「敵」の姿に関してです。
私は先月号からの購入なのでバックナンバーを知りません。なので不適切な指摘であったら申し訳ありません。

この記事では「敵」の真の姿をきちんと語っている私が読んだ中で初めての記事です。
ただ、ソマリアに関して思ったのですが「なぜ今頃になって」この記事なのでしょうか?

日本のジャーナリズムに憤りを感じていた理由が、視点のずれた記事が多く、海賊船に関してはその最たるものでした。

私は国際政治を学んでいるのですが、クラブJPOのメーリスには去年の12月、安保理でアメリカが海賊行為の撲滅の為にソマリアにおける空爆も認めることを可決させた頃に今回の記事と同程度のものが流れてきました。

その方はアフリカ日本協議会の方だったので一般の人よりは事情に詳しいという理由があったと思います。でも、なぜジャーナリズムを標榜する人たちがもっと早く考え、記事にしてうったえてこなかったのでしょうか。

とにかく「遅いな」というのが正直な感想でした。

あと新しい差別とDVの記事もすごくよかったし、毎回のことですが写真の力見せ付けられました。

posted by デイズジャパン at 16:05| Comment(0) | 読者の声 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年07月01日

読者の声 2009年7月号no.1

あるDAYS JAPAN読者の方から最新号(2009年7月号)の感想が届いたので、ご紹介します。皆さまの声をもとに、DAYS JAPANらしさを追求していきたいと思っております。どうぞお気軽にご意見・ご感想をお寄せください。
お寄せ先:kikaku@daysjapan.net

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『「DAYS JAPAN」を勝手に応援するわけ』

不気味なニュースが ある。
逆に、あるべきニュースが「ない」から不気味と言うべきか。

DAYS JAPAN 7月号で初めて知った事件だった。
「イラク日本大使一行襲撃。護衛の米兵一人死亡。」との衝撃的な記事である。
だけど不思議な事に、
現地のTVニュースと新聞では報道されたと言うのに、
現場での目撃者の証言もあると言うのに、
何より、人一人の命が奪われたと言うのに、
当事者、当事国である日本では報道されていなかったのだ。
しかも、問い合わせた日本人ジャーナリストに対して外務省担当者は、
「そういう情報が流されているという事は存じていますが、
襲撃されたという事実はありません。」と全面否定とのこと。

いったいどういう事だろう。
何故だろう?何故隠す必要があるのだろう?
あった事を知らされないどころか、
なかったと言われる事の意味を考えずにはいられない。
個人対個人なら、単なる「嘘つき」ですむ場合もあるかもしれないが、
国対国民なら、それでは済まないのではないだろうか。
戦時中の大本営放送の偽りを見抜けなかった大人たちの二の舞は、
決して してはならないと、肝に銘じたいものだ。
今後も注意深く行方を見守りたいと思う人は少なくないだろう。
同時に、政府が認めてないこの事件を載せたDAYS JAPANに、
真のジャーナリズムの勇気を感じた。

それにしても、
多数の反対する人々の声を無視して、
アフガン戦争に自衛隊の給油活動を続けようとする事や、
海賊より先に自衛隊が武器使用もあるかもしれないと言うのにソマリア沖に自衛艦派遣をしようとする事と、
なんらかの関係はないのだろうか。

それから、
「敵」の姿として植え付けえられたものは、果たして本当に悪しきものなのか、こちらの情報にも注意をはらうべきだと思う。
ソマリアの漁民を海賊にしたのは、ソマリア国内の混乱に乗じて無許可で魚を乱獲したり、産業廃棄物や核廃棄物をわざわざ捨てに来たりする先進国のせいだったという事も、今月号の記事で知ることが出来た。
他にも「フィリピン人妻への虐待」という記事には、差別と暴力のあまりの残酷さに言葉を失うほどだった。
心身ともに深い傷をおいながらも、暴力に苦しむ人達への彼女のメッセージは、「諦めないで。誰かに相談して。逃げて。」と、具体的で力強い。これからの彼女の幸せを祈って止まない。

一方的に押し出される情報は、誰が、どの立場から伝えた情報か、
そして自分は何処にいるのか、右も左も大小様々な事を冷静に見て自分の頭で判断する事は、
かなり大変ではあるけれど、おろそかには出来ない事だと思う。
財力や権力や人気のある側から発せられる情報は、いくらでも出てくるけど、社会的に弱い立場の人の小さな声を聞き届ける報道は、圧倒的に少ない。
本当は、その声にこそ耳を傾け、目を向けなくては、
幸せな未来はないような気がするのだけど。
そういう意味で、徹底してその姿勢を貫こうとするDAYS JAPANには敬意を表し、心から期待もしている次第。
本屋で立ち読みでもいいから、一度是非 手にとって頂きたい報道写真情報誌である。
posted by デイズジャパン at 11:13| Comment(0) | 読者の声 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする