2009年11月25日

広河隆一より

広河隆一です。

皆さんへ早稲田大学・DAYS JAPAN共催フォトジャーナリズム・フェスティバルの最後のご案内をします。

大隈講堂は、四十数年前に、学生時代に、ロバート・ケネディ米司法長官の講演を聞いた思い出の場所です。
まさかこの場所を使って、私たちがフェスティバルをすることができるようになるなんて、想像もしていませんでした。

11月22日、この場所で、上杉隆さんほかを招いてシンポジウム「戦争・写真 そしてメディアの危機」を行いました。
そして翌23日は写真と音楽のコラボレーション「生命のコンサート」を行いました。どんどん素晴らしい歌を歌うようになるナターシャ・グジー、まだ若いのに何か威厳というものを感じさせてしまう存在感で圧倒されたアイヌのMINAさん、そして私のチェルノブイリとパレスチナの写真に澄み切った音楽をつけてくれた青柳拓次さん、そしてかつて私といっしょにレバノンの戦場を訪れたエピソードを紹介してくれた作家の立松和平さんが舞台を盛り上げてくれました。最高に皆が感動したのはやはり加藤登紀子さん。彼女は私の写真を背景に新曲「1968」から歌い始め、レボリューション、百万本のバラと歌い、最後にやはり私の写真を背景に「RISING」を歌いました。

この曲は私がベイルートに戻るため、レバノン山岳地帯で待機していたとき、連日の猛爆撃の中で、精神的に参りきってしまうのを、すんでのところでこらえさせてくれた曲です。立て続けに巨大な砲弾が私の周辺に落ちる中、私はこの曲と、やはり登紀子さんの「この空を飛べたら」の歌を聴き続けて、生き続けようとしました。
この曲は大きな意味で、私の人間としての生命を救った曲と言えます。

そして昨日は大隈講堂で「大スライドショー『世界を視る』」の第一回目が行われました。私は「パレスチナ」と「薬害エイズ」の写真を大画面で見せながら、撮影の背景の話をしました。マグナムの小川潤子さんは「キャパ」について多くの写真を紹介してくださいました。


明日26日の木曜日6時半から、DAYSとしては、大隈記念講堂での最後の催し、「大スライドショー『世界を視る』」の2回目を開催します。
フランスのペルピニヤンの世界報道写真祭の映像紹介、在日外国人の撮影した日本、DAYSフォトジャーナリスト学校卒業写真展「祝島」、第一回日本ドキュメンタリー写真ユース・コンテスト受賞作品発表と授賞式と、中身が濃い内容になっています。私は「チェルノブイリ」と「ゲバラの戦った地」の写真をお見せし、撮影の背景をお見せします。

ぜひぜひおいでください。入場無料です。

また12月1日(火)5時から大隈講堂そばの小野講堂(地下2階)で、「触れる地球」の製作者竹村真一さんを迎えて、地球環境と未来についての講演会をします。私との対談方式です。竹村さんの話は、絶対に聞いておいていただきたいとても大切なものです。そして目からうろこが落ちる、驚くような内容です。私も自分の世界観に大きな影響を受けました。ぜひご参加ください。

小野講堂の1階にはWASEDAギャラリーがあり、そこでは「触れる地球」を実際に触って、さまざまな地球のデータや写真を自分で映写することができるようになっています。それは現実の地球だけでなく、合わせ鏡のように、希望の地球も映し出せるようになっています。今どちらを選択をするかは、私たち自身にかかっている、と訴えかける展示です。

すこし早目に早稲田大学に来られた方は、学生会館小野講堂前ホワイエでのDAYS写真展、大隈タワー10階の私の写真展などをご覧いただければ幸いです。

広河隆一

これまで大隈講堂でのフォトジャーナリズム・フェスティバルは参加者に大きな感動を残しながら進んできました。
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第1回目「触れる地球」講演

IMG_5782.JPG


本日(11/24)、「地球環境は今」と題した講演がありました。
「触れる地球」開発者、竹村真一氏によるもので大変興味深かったです。当初、小野講堂での講演でしたが、
急遽ワセダギャラリーに変更しました。

ちょうど1週間後、12月1日(火)に第2回目の講演をします。
それは広河隆一との対談になります。
※広河編集長が本イベントに参加するのも、この日で最後です。どうぞお見逃しなく!

●「触(さわ)れる地球」特別展示
http://www.daysjapan.net/waseda/exhibition/exhibition.html#E5

●12/1(火)17:00〜18:00 竹村真一×広河隆一
http://www.daysjapan.net/waseda/symposium/symposium.html#Earth

写真提供:(C)Earth Literacy Programme
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2009年11月10日

バックナンバーフェア開催!!

早稲田フォトジャーナリズムフェスティバル
バックナンバーフェア

下記書店にて開催ですexclamation×2

取り寄せないと手にすることのできない
バックナンバーが手に入ります!!!

ぜひお立ち寄り下さいぴかぴか(新しい)


ジュンク堂 池袋店    
期間:11月11日〜12月10日
171-0022 東京都豊島区南池袋2-15-5
TEL 03 (5956) 6111
FAX03-5956-6100
営業案内:午前10時〜午後10時


芳林堂書店 高田馬場店  
期間:11月10日〜12月5日
169-0075東京都新宿区高田馬場1-26-5 FIビル3・4・5F
TEL03-3208-0241
FAX03-3208-0245


ブックファースト 新宿店  
期間11/23
160-0023東京都新宿区西新宿1-7-3モード学園コクーンタワー 地下1F・地下2F
TEL03-5339-7611


紀伊國屋 渋谷店  
期間11月9日〜12月5日
150-0043渋谷区道玄坂1-2-2渋谷東急プラザ5F
TEL03-3463-3241
FAX03-3496-5908


紀伊國屋 新宿本店
期間11月23日〜12月5日
163-8636
新宿区新宿3-17-7
TEL03-3354-0131
FAX03-3354-0275


各書店さま ご協力ありがとうございます
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2009年10月23日

編集長便り(2009年11月号)

中国電力は、今日10月7日、上関原発建設に反対する人々の裏をかいて、隠していた場所からブイを運搬し、だまし討ち的な着工を行った。
これまで島の人々は、孤立した闘いを続けてきた。「海を守りたい」という純粋な動機からだった。かつて原発で働いた経験のある島民が、原発の危険性を説いて回ったことも影響したという。
しかしこの人々の闘いは、県外に伝わることはほとんどなかった。巨大メディアは、これまでこの祝島島民の反対運動のニュースをほとんど全国に広めてこなかった責任をどうとるつもりだろうか。自分たちの大株主に電力会社がいるからだという説明を、島民の目をまっすぐ見て告げることができるのか。それとも他に理由があると言えるのだろうか。
今回DAYSは、祝島の特集をうち、美しい自然のなかでの人々の営みの写真を掲載した。原発が何を奪おうとしているか、伝えることができたと思う。この島から原発予定地まで4キロ弱。チェルノブイリ原発と死の町となったプリピャチの距離だ。今回の着工の知らせを受けて、中国電力に電話した人がいる。すると広報の小川と名乗る人物は「昔核実験の時、放射能がいっぱいばらまかれたんだから、ちょっとくらいの放射能でむきになることはないではないですか」と言ったという。この感覚はいったい何だろう。(http://d.hatena.ne.jp/aresan/20091031/1254898052)。
ところで「DAYS存続キャンペーン」という言葉を見て、事態はそこまで深刻なのかと驚かれた人もいるかもしれない。あと500人定期購読者を獲得できれば存続できると訴えて、1週間で50人の申し込みがあった。しかし横浜フェスティバルは台風の接近で、連日雨。祈る思いで空を見ている。(広河)
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2009年09月23日

編集長便り(2009年10月号)

フィリピン人のタタさんが再び手術をした。日本人の夫に灯油をかけられ火をつけられ、火は身体全体を包んだが、一命を取り留めた。治療の様子は7月号に報告したとおりだ。今回は口の周りの形成手術だった。わずかに焼け残っていた腰の皮膚を切除し、顔に皮膚移植する大手術だった。
包帯でぐるぐる巻きになって病室に戻ってきた彼女にカメラを向けたとき、彼女の目から涙がこぼれ落ちた。私はシャッターを切れずに、カメラを下に置いた。
彼女はこれから何年もかかって、体中の火傷跡を治していくことになる。長く会うこともできない子どもたちには、会うことができないという。子どもたちの反応が怖いのだという。
9月2日からフランスのペルピニヤンの国際フォトジャーナリズム祭(VISA)に行った。4日にはパリマッチやフィガロやサンデータイムズの編集者とともに最終審査を行った。大賞にはアフガニスタンの絶望的な状況を捉えた写真、ニュース部門大賞にはDAYSでも賞を受けたグルジア報告が選ばれた。
このVISAの圧巻は夜のスライドショーだが、最終日は、ガザの写真で締めくくられた。そして昨年末に始まったイスラエルによるガザ攻撃で、イスラエル政府がジャーナリストの取材を徹底的に排除したことに対して、主催者側が厳重抗議し、ジャーナリストの取材の権利を訴えた。世界の報道写真コンテストや写真展が権力に巻き込まれていくのを目の当たりにしていた私にとって、VISAがジャーナリズムを守ろうと強い抵抗を示したことは大きな驚きだった。先月号の「おばあちゃんと猫」の評判がいい。(広河)
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2009年08月24日

編集長便り(2009年9月号)

DAYSフォトジャーナリスト学校のワークショップで30人余りの若者と山口県祝島(いわいしま)に来ている。ここには主婦で写真家の那須圭子さんや、本誌写真特集でもおなじみの88歳の福島菊次郎さんが来ておられる。昨日は、中国電力による上関(かみのせき)原発が島の対岸に建設される話が持ち上がった28年前からの話を、島の人に聞いた。上関町の人々はすさまじい札束攻勢にさらされ、賛成派、反対派に引き裂かれていった。しかし祝島の9割の人々は原発建設に反対した。135億という巨額の金が8つの漁協に振り込まれたが、祝島漁協はその受け取りを拒否したという。
島の人々が原発反対の姿勢を決めたのは、電力会社から何回も原発の「視察」に誘われた後だった。島の人々は、視察先の伊方原発や美浜原発で、「きれい事」だけを見せられる事に疑いを持ち始め、自分たちで地元の漁師たちの暮らしがどうなっているか聞いて回ったという。そして知ったのは、さびれた漁業の姿だった。やがて女性たちを中心とする反対運動が誕生した。地震特定観測地域の中にあり、地震の多発地域に建設されようとする上関原発。度重なる電力会社の事故隠しを見るにつけ不信感はつのり、柏崎刈羽原発の事故で耐震安全性の神話も崩壊した。
私がこの島に来たのは14年ぶりで、人々の営みは変わりなく続いている。毎週月曜日に島の人々で行われる反原発デモは1040回を超えた。原発の金に頼らない島興し運動も進んでいる。高齢者福祉や介護の取り組みを推進して、老人たちが安心して老後を過ごせる島にするのも「島興し」の一環だとされている。
中国電力はこの秋にも埋め立て工事の大攻勢をかけてくるといわれている。上関原発建設に反対する署名用紙はhttp://blog.shimabito.net/からもダウンロードできる。(広河)
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2009年07月17日

編集長便り(2009年8月号)

バラク・オバマ大統領が2008年1月8日のニューハンプシャー州予備選挙後に行った演説は、“Yes, we can”で有名になった。ここで彼は、解放を求める奴隷たち、西部に向かう開拓者移民、組合を作る労働者たち、参政権を求める女性たちによって、いつもささやかれ、歌われた言葉として“Yes, we can”をあげ、聴衆の喝采を浴びた。しかしこの日は土地を奪われ、追放されていくネイティブ・アメリカンのことは語られなかった。この日の彼の演説では「約束の地」という言葉が使われている。先住民の土地が、他の人々によって「約束の地」と呼ばれ、占領支配が正当化された例は少なくない(後に彼はファースト・アメリカンという言葉を用いて軌道修正することになる)。

民主主義は、ある人々を排除した上で宣言される場合が多い。その不正義をただすためには、民主主義的な方法ではどうにもならなかったこともあった。また民主主義の各段階で多くの血が流された。奴隷解放は南北戦争という内戦を必要とした。

現代は民主主義が戦争を後押しし、和平という言葉の上に占領が既成事実化され、正義という名のもとに殺戮(さつりく)が行われる時代だ。それに反抗するものは、多くがテロリストと呼ばれ、平和に反対する者と呼ばれた。この人々だけでなく、周辺の人々の頭上への爆弾の投下は、イラクでもアフガニスタンでもガザでも正当化されてきた。当事者だけでなく、国際社会もそれを認めてきたのだ。そうした人々の中から、武装して抵抗運動を行う人間たちや、市民殺傷の目的で爆弾を用いるテロリストが育っていく。

民主主義が犯罪を行うとき、民主主義よりも高度な規範を選びとらなければならないこともある。その人々を「テロ」に追い込まないためには、まず問題そのもののありかをいつもきちんと見据えることが必要なのだと思う。
(広河)
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2009年06月22日

編集長便り(2009年7月号)

DAYS JAPANフォトジャーナリスト学校が始まった。33人の生徒が半年後にどのような活動をするようになるのか、楽しみである。以前私の個人事務所主催で3度ほどフォトジャーナリスト入門講座を開催したことがあった。そのときは5日間、朝の10時から夜の9時までぶっ続けのハードスケジュールだったが、フリーランスで仕事をするようになった人が何人も出た。
私の授業ではまずジャーナリストの仕事について、じっくり話をするようにしている。フォトジャーナリストのアイデンティティの基盤は、写真家ではなく、ジャーナリストだと強調する。撮影の技術面に重きを置く他の講座と違うところはおそらくこの辺で、私にとってどうしても譲れない部分を共有できなければ、機材の話などを話すつもりにはならない。
月2回、隔週日曜の午後に開くこの学校は、8月には「日本の核と軍」の取材旅行を行う。作品は秋のDAYS誌面と、横浜や早稲田大学でのフォトジャーナリズム・フェスティバルで発表する予定だ。
ところで雑誌の休刊が続く中、DAYSは何とか持ちこたえているが、雑誌の性格上、他誌の営業戦略がDAYSに応用できるわけではない。そこで「DAYS学生経営戦略会議」を作る案を考えている。DAYSをこれからいかに発展させていくか、実践案を考えて提出してくれる若者を募集しようと思っている。新聞も他のメディアも、先行きが真っ暗な中、これまでの経験を持ち寄っても、出口は見えないからだ。(広河)
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2009年06月19日

【定期購読者の皆さま】7月号の配達遅延についてのお詫び

いつもDAYS JAPANをご購読くださいまして、まことにありがとうございます。
2009年7月号につきまして、購読者の皆様にDAYS JAPANをお届けするのが、若干遅れました件につき、お詫びを申し上げますとともに、ご説明させて頂きます。

遅れが発生しましたのは、以下の理由によります。
当該号のトピックス・ページにおきまして、「イラク―日本大使一行襲撃」の記事を掲載いたしました。執筆者とスタッフが、校了間際の寸暇を惜しんでイラク現地への電話取材や事実関係の確認、そして編集・制作に関わっております。取材対象者の安全確保を配慮し、今回は発売日と同時に定期購読をお届けすることを選択せざるを得ませんでした。

定期購読者の皆様には発売日以前にお届けすることを謳っております私たちとしましても、苦渋の選択でありますことを、何卒ご理解いただければ幸いです。

DAYS JAPANは、今後も大手メディアで取り上げない記事や情報を積極的に誌面に掲載してまいります。また、フォトジャーナリズムにおける姿勢も写真も、世界に通用するクォリティを目指してまいります。
今後とも、DAYS JAPANをご支援くださいますよう、お願い申し上げます。

DAYS JAPAN 編集長
広河隆一
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2009年05月28日

編集長便り(2009年6月号)

国家という存在が目の前に立ちはだかった瞬間を何度か経験した。暴力を伴う拘束にせよ、精神的な追い詰めにせよ、そのつど恐怖を覚えたり、うろたえたり、途方もない孤独感を味わったりした。しかし自分は日本という国家に属しているが、それがすべてではない。自分には、日本人というアイデンティティよりも上部に、「人間」や「ジャーナリスト」というアイデンティティが存在すると言い聞かせた。特に国家が軍という形で圧力をかけてくるとき、私は自分のよりどころを、「ジャーナリスト」というアイデンティティに求めることが多い。
「利敵行為」という言葉がある。ある人々の行動や言説が、対立する相手国家や組織の利益になってしまう場合に用いられる。これは自分の属する共同体の政策やあり方を批判したとき、その批判を封じるときによく使われる。「利敵行為」と名指された場合、所属する共同体から締め出され、拘束されたり、アイデンティティも奪われることになる。
イスラエルのような常時戦時体制をとっている国にとって、さらにまた危機感をあおって攻撃の理由にしている国にとって、「利敵行為」というレッテルが、どれほど人間を追い詰めるか想像に余りある。兵士として、国家が「隠せ」と言っているものを隠さずに「沈黙を破る」とき、「イスラエルのユダヤ人」というアイデンティティよりももっと上位の「人間」というアイデンティティを獲得しなければならなくなる。
人間として生きる意味を問うなかで、イスラエル最大のタブーを犯すことを選ぶ兵士たちのドキュメンタリー映画「沈黙を守る」を、友人の土井敏邦が完成させた。東京・「ポレポレ東中野」(TEL:03-3371-0088)ほかで上映中。(広河)
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2009年05月25日

【決定】第6回DAYS国際フォトジャーナリズム大賞審査員追加決定

昨年まで審査員をしていただいた筑紫哲也さん、フィリップ・ジョン・グリフィスさんの亡き後、次の3人の方々が、第6回DAYS国際フォトジャーナリズム大賞の審査員を引き受けていただきました。

  ・姜尚中さん(東大教授)
  ・山田洋次さん(映画監督)
  ・加藤登紀子さん(歌手)
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ペルピニヤン世界報道写真祭での最終審査員に決定

本誌編集長 広河隆一が、仏ペルピニヤンで行われる世界最大のフォトジャーナリズム・フェスティバル「VISA」の、最終審査員に選ばれました。アジアからは1人であり、アジアの視点を反映させたいと思っています。

ペルピニヤン世界報道写真祭(英語)
http://www.visapourlimage.com/index.do
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DAYS JAPANが日本写真家協会賞受賞

DAYS JAPANを応援くださる皆さまに感謝の気持ちを込めてご報告いたします。

日本写真家協会(JPS)は、5月23日(土)に東京都写真美術館ホールで今年度総会を開催しました。そこで満場の拍手でDAYS JAPANの今年度「日本写真家協会賞」受賞が決定されました。
贈呈理由は次のように説明されました。
 「創刊5周年を迎えたDAYS JAPAN誌は、世界の現実を直視した優れたドキュメンタリーフォトを掲載し続けている。
  掲載された作品がピュリッツァ賞を受賞するなど、フォトジャーナリズムが厳しい状況におかれている中で、常に高い水準を保ちながら発行を続けている」

授賞式は12月9日に行われます。
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2009年05月22日

【募集】広河隆一事務所アシスタント

アシスタントを募集します。

【仕事の内容】
・広河隆一事務所の写真および資料整理、簡単な経理、事務作業
・DAYSフォトジャーナリスト学校の事務作業

条件:委細面談。履歴書を送ってください。書類選考の上、順次面接のお知らせをします。
締め切り:5月末日

宛先
〒156-0043
東京都世田谷区松原1-37-19
DAYS JAPAN
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2009年05月21日

【講演】6/17(水)広河隆一講演&DVD上映

日本写真家協会、国際交流委員会による広河隆一の講演が開催されます。
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国際交流委員会セミナーのお知らせ※転載可

「パレスチナ1948・NAKBA」DVD上映&講演
 〜時代を読みとり世界を伝えるフォトジャーナリストとは〜

講演者:広河隆一(フォトジャーナリスト/ビデオジャーナリスト/DAYS JAPAN 編集長)
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写真で世界を伝え続けてきたフォトジャーナリズム月刊誌「DAYS JAPAN」の編集長であり、フォトジャーナリストである広河隆一氏が監督したドキュメンタリー映画「「パレスチナ1948・NAKBA」のDVD上映と、広河氏による講演を開催する。1948年のイスラエル建国で70万人のパレスチナ難民が生じた事件をパレスチナ人はNAKBA(大惨事)と呼ぶ。60年前の事件の体験者を探し当て200人を超える人々の証言を拾い集め膨大な記録をまとめた映画にこめた思いや、時代を読み取り世界を伝えるジャーナリズムのありかたなどを語っていただく。

■日時:6月17日(水) 14時〜16時30分
■参加費:無料  
■定員:100名(先着順) 
■場所:JCIIビル6F 
    東京都千代田区一番町25番地JCIIビル6F
    地下鉄半蔵門線 半蔵門駅下車 九段方向出口徒歩3分
■主催:日本写真家協会・国際交流委員会 TEL03−3265−7451
■申込:FAXまたはメールで日本写真家協会事務局まで
    FAX 03-3265-7460/ Email: info@jps.gr.jp
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2009年04月15日

編集長便り(2009年5月号)

写真展&講演用S.jpg


DAYS JAPAN編集部の私のパソコンに、若く美しい女性の壁紙が貼ってある。昨日社員の一人から、これが誰で私とどういう関係なのか気になったが、遠慮して聞きにくかったと言われた。
この女性に会ったのは今から12年前だ。彼女はその時14歳で、白血病と甲状腺がんの二重の苦しみを抱えていた。生きる希望を失い、学校には行かず家に引きこもっていた。抜け落ちた髪の毛と喉の手術跡を気にしていたのだ。当時医者は、彼女が5年生き延びる確率は40パーセントだと話していた。
その前年、彼女の父親ががんで亡くなった。彼女の村はチェルノブイリの放射能の通り道にあった。村人のがん死者は急増したという。
私は訪ねるごとに、彼女を外に連れ出した。公園、川遊び、美術館、オペラハウスのバレー鑑賞……。やがて彼女は私がお土産に持っていく日本の民芸品や写真集に興味を持ち、そしてそこに書かれていた日本語を、ノートに書き写し始めた。それを見て私は、日本語学習のテープや教科書をお土産に加えた。絶望していた彼女の心に「日本」が沁み込んでいった。生きる目的のようなものが彼女の心に生まれた。
ほとんど自習をしていた彼女に、私は家庭教師をつけた。日本語学習がきっかけになって、彼女は学校の授業も自宅で進めるようになった。学校を卒業できたのは奇跡としかいいようがない。彼女が受験したのはキエフ外国語大学の日本語学科で、ほとんどトップの成績で入学し、2年前卒業とともに彼女は大学に職を得、日本語を教えるようになった。
この3月、私は被災地を再訪した。原発事故から23年たち、誰も事故のことを思い起こさないが、現地では不安を抱えた人々が生きていた。被害はまだ終息していない。(広河)
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2009年03月23日

編集長便り(2009年4月号)

2004年3月20日、イラク戦争開始から一周年の日に本誌が創刊され、それから5年が経過した。あのとき本誌は、人々の喪失感と敗北感の真っ只中から創刊された。そして5年目の2009年という年も、あの時と同じような、大きな敗北感と喪失感で始まった。5年前のイラク戦争、今年のガザ戦争で一方が戦争に敗北したことを意味しているのではない。戦争に人間が敗北したのだ。本誌の表紙には「人々の意志が戦争を止める日が必ず来る」と書かれているが、人々は敗北し続けている。人間を人間たらしめるシステムが敗北し続けている。
この喪失感と危機感が、DAYS JAPANを誕生させたのだが、状況は悪化し続けている。絶対にあってはならないことが、5年前も今回もまかり通っている。人々を爆撃する理屈が、加害者以外の誰の目にも認めがたいものなのに、そして5年前は数百万人が戦争反対のデモを行ったのに、爆撃は開始された。こじつけられた理由で人々は殺戮される。
敗北したのは「人間」だけではない。メディアも強制されたわけではないのに、国家と軍の広報機関の役割を果たした。「アフガン戦争でもイラク戦争でもアメリカ軍のメディア戦略は勝利した。こうして私たちの目からは被害者が巧妙に隠された」。これは本誌創刊の言葉である。「時代を読み取る目を失いたくない。メディアを自分たちの手に取り戻したい」とも書いた。
ジャーナリストの状況もひどい。人間の尊厳に関わる姿勢が、欠如している人物を、ジャーナリストと呼ぶつもりはない。フォトジャーナリストは、人間の「生きる権利」につながる「知る権利」を行使する職業だ。よって立つ基盤に「命」がある。それが分からない者はただの写真小僧だ。今年は半年間のコースを設け、フォトジャーナリストを育てたい。
(広河)
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2009年03月13日

中日新聞にて掲載

中日新聞.jpg

3月13日の中日新聞に中日新聞主催の広河隆一の講演が掲載されました。(社説のとなりの位置での掲載でした)
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2009年02月19日

22日(日)毎日新聞朝刊「闘論」にて

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22日(日)毎日新聞朝刊「闘論」で
広河隆一とイスラエルの写真家ジブ・コーレン氏との討論が掲載されます。
お見逃しなく!

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2009年02月16日

「NAKBA」チケットプレゼント

日頃の感謝の想いを込め、また「DAYS5周年記念」企画として、
3月7日から上映される「NAKBA」チケットを7名の方にプレゼントします。
〆切りは2009年2月28日、応募者の中から抽選で7名の方に差し上げます。下記のメールアドレスまでメールでご応募ください。
※発表は発送をもってかえさせて頂きます。

【上映詳細】
 劇場:ユーロスペース1
    http://www.eurospace.co.jp/detail.html?no=191
 期間:2009/03/07-2009/03/13
 上映時間:21:00−23:10
 *予告篇なし。本篇からの上映。

【お問い合わせ先】
以下の内容を記入の上、hiropress@daysjapan.netまでEメールでお送り下さい。

■お名前
■郵便番号
■ご住所
■お電話番号(当選された際ご連絡できる番号)
■DAYSにひと言(応援のことば、取り上げて欲しい記事、など)
※申し込みの際にご提供いただいた個人情報は、目的以外の使用はいたしません。

*「5周年記念イベント」にも是非ご参加ください!
 詳細:http://daysjapanblog.seesaa.net/article/114137505.html
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