2012年11月02日

NPO法人「沖縄・球美の里」広河隆一から

みなさん
その後いかがお過ごしですか。沖縄・球美の里は、少しずつ変化しています。
私たちの団体は、10月から「特定非営利活動(NPO)法人沖縄・球美の里」になりました。
この度はいくつかのお知らせをします。

【1】お友達をご紹介ください 
新しいチラシが出来上がりました。お友達の方にお渡しいただき、ご支援をお勧めいただけましたら幸いです。

【2】久米島コンサート 11月16日に、6時から久米島の具志川農村環境改善センターでチェルノブイリ事故で被災したナターシャ・グジーのコンサートをします。無料です。私の話と島の民謡グループ「親子塾なんくる」も出演します。

【3】写真展 14日から25日までは久米島博物館で、
私の写真展「チェルノブイリ・フクシマそして世界の戦場」も開催します。この機会に久米島を訪問してみようと思われた方、ぜひ参加ください。保養期間中なので、施設にお泊りはできませんが、ご訪問は歓迎します。特に17日の午前中は9時以降11時半まで、ご訪問に対応する担当者を配置します。

【4】これらの問い合わせ受付については、いわき事務局ではなく東京事務局で行いますので、
   ファックス 03-3322-0353か
   メール tokyo@kuminosato.netの根本までご連絡ください。

【5】シンポジウム「福島の子どもを守るためにチェルノブイリの経験から学ぶ」 
ベラルーシから、保養施設「希望21」の所長を20年以上勤めてこられたマクシンスキーさんをご招待し、チェルノブイリ事故の後、汚染地で育った子どもたちを保養させるうえで、どのようなご苦労があったか、ご経験やその効果などを詳しく聞く機会を持ちたいと思っています。また同時に開始後半年目を迎えます球美の里の報告も私からさせていただきます。予定は次の通りです。

12月15日(土)14−18時 マクシンスキーさんの久米島講演会と交流会。
 会場:沖縄・球美の里のダイニングルームか図書室。

15日昼から球美の里で1泊2日で、講演、交流会参加、宿泊費と食事込みで参加費10000円で募集をします(交通費は別)。この時期は子どもの保養がありませんので、施設を利用していただきます。お申し込みやお問い合わせは、上記メールアドレスにお願いします。

現在も福島の子どもたちの通年の保養施設としては、沖縄・球美の里が、日本では唯一のものですが、私たちの運営の仕方を知って、北海道ほかに、同様の施設を建設する動きが起こっています。この機会に球美の里を訪問したいという方にはいい経験になると思います。関心のある友人の方にお知らせください。

そのほかのマクシンスキー講演会は次の通りです。

東京講演会:12月16日(日)18時半―21時半 
 会場:北沢タウンホール
(下北沢 03−5478−8005)、
 参加費:900円 
 予約先:tokyo@kuminosato.net (根本) 

福島県いわき市講演会:12月17日(月)18時― 
 会場:アリオス
(いわき芸術文化交流館 0246−22−8111)
 参加費:500円 託児所利用希望者のみ要予約。
 お問い合わせはtarachine@bz04.plala.or.jp(鈴木)まで

京都同志社大学講演会。12月19日(木)18時半―21時 
 会場:同志社大学今出川校地新町キャンパス・臨光館201教室 

 資料代:500円 予約不要 
 問い合わせ先:
 社会学部メディア学科・浅野健一研究室 asanokenichi@nifty.com 
 電話075−251−3411(学部事務室)
 
これから福島の子どもたちを健康に育てるためにはどのようなことに気を付けるべきかを知るためのいい機会になると思います。ご参加をお待ちします。

【5】 広河隆一郡山講演 
来年1月13日に郡山女子大で、私のジャーナリズムについて放送大学の講演会を行います。詳細は追ってDAYS JAPANホームページか球美の里のホームページでお知らせします。
また私の放送大学の番組(衛星放送)「フォトジャーナリズムとは何か」は、1月1日(火)22:15〜23:00にも再放送されます。

以上長い手紙で申し訳ありませんでしたが、よろしくお願いします。

2012年11月2日
NPO法人沖縄・球美の里 理事長 広河隆一
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2012年10月20日

DAYS JAPAN 11月号「編集後記」ページ内情報の訂正のお知らせです。

DAYS11月号の編集後記のページで、
『マクシンスキー講演会・チェルノブイリから学ぶ福島の子どもの保養』
開催場所に変更がありました。

12月17日の講演会開催地は福島県いわき市です。
夜6時から、
いわき市平 字 三崎1番地の6 
TEL:0246−22−8111 
アリオスで開催します。

どうぞ宜しくお願いします。

営業部
佐藤典子
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2012年09月28日

最初の小児甲状腺がんの症例の報に接して(広河隆一より)

最初の小児甲状腺がんの症例の報に接して

本人もご家族もどんな思いで医師の宣告を受けたのだろうか、どれほどの不安と恐怖にさいなまれているのだろうか。せめて医師は患者の身になって告知したのだろうか。それとも事実は学者のデータ管理庫の中にあって、本人家族にはまだ告げていないのだろうか。
チェルノブイリでは、検査の結果は親に伝えられた。しかし多くの親は検査結果を子どもに告げることができなかった。「がん」という言葉は大人でさえ耐えられないほどなのに子どもには重すぎる。 しかし子どもが自分の診断書を見つけて知ってしまうこともあった。子どもが知った後、泣き明かす母親を慰める子どももいた。子どもに襲いかかった事実に、父親が耐えられず、アル中になったり、離婚するケースが相次いだ。母親と子どもが残されたケースも多い。
今回検査を受けたのは18歳以下の8万人だという。その子どもたちの多くは、「自分ももしかしたら」と考えているかもしれない。次の検査で自分が宣告されるかもしれないと考えている子どもも多いに違いない。
権威を振りかざす医師や医師会や自治体や政府が、「安全」を説くのが自分の役割だと考え、子どもが放射性ヨウ素で被曝するのを予防する仕事を放棄した。安定ヨウ素剤を与えると不安をあおってしまい、自分たちがそれまで安全だと言ってきたことが嘘だということになってしまう。事故があり、ベントが決定され、被曝の危険性が高まることが分かっていても、子どもや妊婦のために当然やらなければならないことをやらなかった。
原発事故が起きたらすぐに何をしなければならなかったかは、専門家でなくても誰でも知っている。安定ヨウ素剤を飲むことと、妊婦、子どもの避難である。それを権威者はやらなかっただけでなく、むしろ妨害したケースさえある。ある医師は安定ヨウ素剤を大量に注文した。しかしそれは医師会にストップされた。これら医学界の犯罪は、メディアの犯罪調査とともにまだ手に付けられていない。
この程度の被曝では、安定ヨウ素剤が必要ないと、彼らは考えた。しかし彼らも含め、すべての関係者は、どれほどの放射能が放出されるか知らなかった。医師も政府も東電も分からなかった。そして、安定ヨウ素剤は、放射能が来る前に呑まなければ効果がない。結果的に多量の放射性ヨウ素が襲ったと分かってからではすべて後の祭りなのだ。そうしたことが起こらないように事前に服用するのが安定ヨウ素剤なのである。そんなことを知らない医学者はいない。だから医学者たちが今回行ったことは、判断の間違いというより、犯罪である。
発表された子どもの甲状腺がん発症は、放射能のせいではないと医学の権威者は言う。「なぜならチェルノブイリでは事故から3−4年後になって病気が急増したからだ」という。しかし実際にはチェルノブイリの事故の4年後に、日本の医学者たちは、小児甲状腺がんの多発を認めなかったではないか。「広島や長崎では小児甲状腺ガンは十年以上たってから現れたから、これほど早く発症するはずがない」とあの時彼らは言った。彼らは自分たちの知っている知識や経験を超える「万が一」という言葉を嫌う。「万が一」に備えることを恐れる。自分たちの限界を認めたら、学会のヒエラルキーは崩壊する。
しかし親が子どもを思う時、何よりも「万が一」で行動するものなのだ。そしてチェルノブイリ事故でも、スリーマイル事故でも、母親たちの懸念のほうが、医学者や政府や電力会社の判断よりも正しかったことが証明されている。
 今回の小児甲状腺がんの発症は、時期が早すぎるため、放射能とは関係ない、つまり原発事故とは関係ないと医学者たちは言う。そして8万人に一人という数字は、ふつうでもありうる数字だと言う。しかしこれまで彼らは、小児甲状腺がんは100万人に一人しか現れないと繰り返し発言していたのではなかったか。8万人に1人発症するのが普通だというなら、福島県の子どもの人口30万人余に対して、これまで毎年平均して3−4人の小児甲状腺がんが現れていたとでもいうのか。そんなデータはあるはずがない。
 このただれ切った日本の方向を変える力は、人々の意志と良心的医師たちの活動にゆだねられる。そして「万が一」にしろ被害者がこれ以上増えないようにすることに、すべての力を結集すべきで取り組むべきである。子どもたちを守るために。

 福島のこども支援プロジェクト「沖縄・球美の里」代表
 DAYS JAPAN 編集長
 広河隆一
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2012年09月19日

編集後記(DAYS JAPAN 2012年10月号)


DAYS JAPAN 2012年10月号
告発された医師
山下俊一教授 その発言記録

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 ペンクラブの昨年の会議で次のように話した。「もし自分を作家と呼ぶなら、震災時に何をすべきだったのか」「ジャーナリストと呼ぶなら何をすべきだったのか」。これは自分たちのアイデンティティをかけた問いかけであり、同時に「作家」や「ジャーナリスト」を包み込む、より大きな「人間」というアイデンティティをかけた闘いだ。なぜなら人間、生物の命が脅かされているからだ。
 20代のころパレスチナで、詩人のダルウィーシュに会った。彼が「身分証明書」という詩を発表した時、その最初のフレーズ「俺はアラブ人だ!」という言葉に、1000人の観衆が総立ちになった。これは「俺は人間だ!」という叫びだった。その人間というアイデンティティを崩壊させようとするのが戦争であり核である。
 DAYS JAPANは事故後は食品放射能測定器やホールボディカウンターを福島に寄贈する募金を進め、その後DAYS被災児童支援募金を設け、子どもたちを守るための運動を続けている。しかし子どもを守るというごく当たり前のことのために、これほど多方面の闘いが必要だとは思わなかった。医師、メディア、教育委員会、科学者、政治家・・・・・・。ドイツは原発の行方を決めるために、倫理委員会を設置した。我々の未来を決めるためには、専門家の意見だけではなく倫理が必要なのだ。
 子どもたちを放射能の囚人にしてはならない。急がなくてはならない。ペンクラブには具体的な行動を求めたい。こうした思いを込めて、今回は医師たちの責任に焦点を合わせた増ページ特集を組んだ。
 このペンクラブ会議で誰かが言った「尖閣諸島や竹島どころではない。今私たちの国土は、放射能に侵略され、失われている。国境の内部にそれは起こっている」。この言葉が心に響いている。(広河)
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2012年08月17日

編集後記(DAYS JAPAN 2012年9月号)

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 7月29日午後、三重県の津市で開催されたイベントで、80分間講演をすることになっていた。私は30分間だけ講演し、参加者の方々にお詫びを言って会場を離れ、東京に急行した。そして新木場からヘリに飛び乗った。

 広瀬隆さんからへリの手配と空撮をしてほしいと頼まれたのが6月。しかし私は福島の子どもの保養所準備で、沖縄・久米島現場を離れられない。そこでイラクでの中継などの経験ある綿井健陽さんにこの仕事を頼んだ。毎週金曜日、拡大していくデモのニュースを聞き、現場に行きたくて地団駄を踏んだ。

 私のへリでの撮影経験は多い。チェルノブイリ原発もスリーマイル原発もハンフォード核工場もセラフィールドも福島原発もヘリで撮影した。エルサレムやガザは何度も飛んだ。

 しかし今回の撮影はこれまでとは違った。夜の撮影である。昼間でもヘリは振動して、望遠でブレのない写真を撮るのは困難だ。夜だと感度を上げても、40分の1秒くらいでシャッターを切らなければならない。風があれば手振れ補正をかけても、どうにもなるものではない。

 国会議事堂上空にさしかかった薄明るい頃、デモの人々が見つからなくて焦った。歩道は並木の陰だ。国会前は車しか見えない。そのうち暗くなると、人々の持つ明かりが見えるようになり、国会を包囲するように歩道を埋めている人々が浮かび上がった。そしてある瞬間に、歩道にいた人々が堰を切ったように車道に出てきた。同乗のOurPlanet-TVの白石さん、ビデオ撮影の綿井さんも驚く間に、人々が国会正門の道に溢れていく。ここで撮影に成功できなければ、みんなに申し訳ない。息を止めて何百枚と撮影した。そしてその中に何とか使える写真が見つかった。

 私は高校生の時に大阪の反安保の御堂筋デモに参加した。私の高校から300人の生徒と教師たちが参加した。この日日本全国でデモを行ったのは600万人。国会前を埋めていく人々の姿を見て、私は涙が出るのをこらえられなかった。(広河)
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2012年07月24日

編集後記(DAYS JAPAN 2012年8月号)

 沖縄の久米島に福島の子どもの保養センター「沖縄・球美(くみ)の里」が7月5日にオープンした。繰り返し述べてきたが、通年にわたって子どもたちを受け入れる施設としては、日本で最初のものとなる。島の空港にタラップから子どもたちが下りてくるのを見て、胸が熱くなった。そして子どもたちを迎える久米島の人々が中学生からお年寄りまで約50人、歓迎の横断幕を掲げて出迎えた。これは私も聞かされていなかったことで、驚いた。

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 今回迎えた第一次グループは2週間滞在する未就学児30人と母親20人。第2次は7月26日から2週間、3次は8月20日からというふうに、次々と子どもたちが来ては、交代で保養する。チェルノブイリ被災地の子どもたちを受け入れてきた保養センター「希望21で見てきた光景が、この島で繰り広げられる。

 しかし工事はまだ残っているし、一番問題なのは人材難で、そのため私は今ここで宿直要員となっている。そして毎晩次々起こる夜泣きに起こされた。母親たちに周りの人に気配りをしなくていいような防音の部屋を用意できないのは申し訳ないが、毎朝日が昇ると私はぼろぼろになっている。

 2日目の朝、子どもたちと母親は(株)アウレオから提供されたマリンブルーのミニバス(宮崎駿さんが作ってくださったシンボルマーク付)に乗って、人気のない静かな浜辺へ向かった。私は頭がぼおっとしたまま、東京のDAYS編集部からの、原稿校正のメールや電話にうつろな返答をしている。保養センター運営は、相当な覚悟が必要な仕事である。しかし本当に幸運なことに、「沖縄・球美の里」では、久米島の女性たち3人が、調理などの協力をしてくれている。7月8日には設立記念の催しに石井竜也さんが駆けつけてくださった。久米島の子どもたちの三線の演奏や踊り、中高生の吹奏楽も加わり、数百席の会場は満員になった。(広河)

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2012年07月14日

南相馬署および、情報を知る権利のある人々への公開の手紙

南相馬署および、情報を知る権利のある人々への公開の手紙 

私は6月1日に警戒区域に入ったという「罪」で、南相馬署に任意の再出頭を求められています。確かに私はその日、地元の人の御好意で、警戒区域に入りました。私はそれが悪いことだとは思っていません。しかし法に違反したことは認めています。

私はこれまでのジャーナリストとしての経験から、立ち入りが禁止されているところでは、人々に知られてはまずいことが行われている可能性があると感じる習慣がついています。

だからこそ私たちは、そうした禁止された場所にこそ立ち入って調べなければならないし、何もなければそのことを伝え、万が一何かが隠されていたら、それを人々に知らせなければならないという義務を負っています。
それが私たちジャーナリストの仕事です。

しかし世界中の占領地でも核の被災地でも、「危険だから」という理由でジャーナリストの立ち入りが禁止されることが多いのです。その結果情報が人々にもたらされず、住民の健康上、生命上、財産上の危険が進行します。そのことは今回の原発事故で私たちはいやというほど思い知りました。

政府・当局は、「安全だ」と宣伝しました。そのため「危険だ」と警告するジャーナリストを現場から遠ざけなければなりませんでした。その結果、被害は進行中です。だからこそ私たちジャーナリストは、警戒区域にしろその他の区域にしろ、実情を調べて報道する役割を担っているのです。

ジャーナリズムが機能しなくなったとき、最も大きな災害が広がります。私たちは人々の知る権利に基づいて取材を行います。ところが多くの場合、情報の隠匿は、そうした事態を招いた責任ある者の手で行われます。責任を問われるものが国家である場合は、法律を味方につけて、隠匿が行なわれます。

こうした場合、立ち入り許可が、ジャーナリストに出されはしません。事故が発生した時から、多くのことが隠され、事実にちかづくことは禁止され、政府の安全宣言はまかり通り、一時はメディアをまきこみ、人々は何も知らされない状態に置かれました。

そして今も大変な放射能の汚染地域に、子どもたちは住まわされています。
 人々、特に子どもたちの命を守るためにこそ法律はあるはずです。そのために人々は真実を知る必要があります。ジャーナリストの仕事が今ほど大切な時期はありません。
 
法律がジャーナリストの活動を制限する場合、こうした法律を改めるための行動も大切ですが、時間は待ってくれません。
 だから特殊な状況の下では、法律よりも重要な倫理が先行させなければなりません。特に命や健康がかかっている場合はそうです。人々の知る権利も、法律よりも優先させなければならない場合があります。
子どもを危機に陥れる法律に対しては、時としてジャーナリストは、自らの責任を果たすために、破らざるを得ないことがあると、私は信じています。

私は警戒区域には何度か入りましたが、これを悔いていませんし、反省もしていません。私は今後も「知る権利の行使」のためには、何度でも法律は破ります。
人びとが子どもを守ること権利を、誰が奪う事が出来るでしょうか。人々が事実を知る権利を、誰が奪えるでしょうか。

私は警察の仕事を軽んじているわけではありません。
 法律を市民に守らせることを仕事とする警察にとっては、私の行為は見過ごすことはできないでしょう。それは理解できます。6月1日に立ち入り許可をもっている人の御好意で私が他の人と警戒区域に入った後、検問所で2回と南相馬署で1回、長時間の事情聴取を受けました。
それには協力したつもりです。私は許可証を持たずに警戒地域に入ったことを認めました。それを隠すつもりはありません。法律に基づく罰を与えるなら与えるがいいでしょう。それでも私は、立ち入りを禁止する法律を今後破らないとは約束いたしません。それはジャーナリストの仕事を放棄することになるからです。そしてそれは子どもを守ることを放棄することにもつながるからです。

2012年7月14日
フォトジャーナリスト
月刊報道誌 DAYS JAPAN編集長
広河隆一
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2012年06月19日

2012年7月号 編集後記

 つい最近、小学校の通知簿が出てきた。1年生の時のものだ。そこには「独善的な性格を改めることが必要」という担任の言葉が書いてあった。いまどきこんな言葉を小学一年生の通知簿に書く教師はいるだろうか。それから半世紀以上たった。反省は、日々の行動で実行することにする。
 DAYSは8年間続き、この号は通巻101号となる。今回の特集は「いま問われる写真の力」。おりしも東京では「世界報道写真展」が開催されている。さすがにすごい迫力ある写真が並び、人々は言葉を失って見入っていた。銃弾をかいくぐるレンズは「暗閣の中の私たちの目」(審査委員長エイタン・サリバン)だと書いた天声人語(2012年6月10日付朝日新聞)は、次のように続ける。「闇の実相を命がけで伝える目があって、みじめに転がる子どもや女性は『物言う遺体』となる」。本号の特集で書ききれなかった重い言葉がここでは語られている。
 いまDAYSが取り組んでいる、福島の子どものための保養センター「沖縄・球美の里」は、7月5日に久米島で第一次保養を開始する。DAYSの読者を中心とした数多くの人々が、この大事業に関わってくださっている。特に久米島の人々には感謝の言葉もない。
本土が沖縄に押し付け続けている支配の歴史と米軍基地。それらを解決しようともしない本土では昨年原発事故が起こった。被害者たちに真っ先に支援の手を差し伸べてくださったのは沖縄の人々だった。久米島は先の大戦が終了した後も、日本軍に地元の人が処刑され続けた島だった(「久米島の戦争」なんよう文庫、「沖縄住民虐殺」佐木隆三・徳間文庫)「経済成長や安全保障といった共同体全体の利益のために、誰かを『犠牲』にするシステムは正当化できるのか」(「犠牲のシステム 福島・沖縄」高橋哲也・集英社新書)。福島の子どもを助ける運動は、具体的に沖縄の基地を本土が引き受けるか、沖縄から基地を撤去させるための運動とつながってはじめて本当の意味を持つ。(広河)
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2012年06月17日

「大飯原発 再稼働を決定」を報じる6月16日付朝日新聞夕刊を見て驚いた。


「大飯原発 再稼働を決定」を報じる6月16日付朝日新聞夕刊を見て驚いた。竹内敬二編集委員の「これを前例にするな」という文だ。「原発の安全対策は不十分」と言いながら、今回はともかく、次は見逃さないという形で、結果的に大飯原発の再稼働は容認している。政府にとって最も都合のいい詭弁だ。(広河隆一)
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2012年06月12日

DAYS JAPAN <編集部員募集>

編集部員募集のお知らせです。
DAYS JAPAN編集部では、まだ編集者の補充が成功していません。
現在はほとんど1〜2人で編集作業をしていますが、十分な体制ではなく、即戦力となって下さる人が必要です。

必要とするのは、次のような人です。
1 DAYS JAPANの方針や志を理解し、発刊を支えてくれる。
2 雑誌編集の経験がある。
3 雑誌編集に必要なスピードがある。
4 DAYSの方針に沿ったビジュアルな企画力がある。
5 ラフの作成・デザイン入れ・入稿に必要な技術、知識を持っていること(インデザイン、フォトショップ、イラストレーター使用経験など含め)。
6 できれば英語力があること。

難しい注文であることは承知していますが、お力を借りすることができれば幸いです。
応募を希望される方は履歴書と志望動機を以下までお送りください。

〒156-0043
東京都世田谷区松原1-37-19-402
編集部員募集係

問い合わせは03-3322-4133

採用が決まり次第募集は打ち切らせていただきます。
どうぞ宜しくお願いいたします。
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2012年05月15日

青年劇場「臨界幻想2011」DAYS JAPANも販売致します。

青年劇場「臨界幻想2011」が本日の東京新聞に掲載されています。

3・11後を探る演劇人 生き方問い直す
http://www.tokyo-np.co.jp/article/entertainment/news/CK2012051502000107.html

原発で働く人々や事故の危険性を題材にした本作は1981年初演の作品が30年ぶりに上演されます。
東京・新宿の紀伊國屋サザンシアター
5月18日〜27日 お問い合わせ03-3352-7200
http://www.seinengekijo.co.jp/s/rinkai/rinkaigenso2011.html

劇中に広河の写真が使われる予定もあるそうです。
また、期間中はDAYS JAPAN の販売もございます。
お時間のある方は、ぜひお出かけ下さいね。

営業・企画担当
佐藤典子
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2012年05月08日

「地球の上に生きる2012」ご来場の方からの感想です。

新宿コニカミノルタプラザで開催中のDAYSフォトジャーナリズム写真展
「地球の上に生きる2012」
お陰さまで、この連休中もたくさんの方にご来場頂きました。

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その皆さまが書いて下さったアンケートから、写真展の感想の一部をお伝えします。

●東日本大震災で我が子の無事を祈りながら毛布を被っていた女性の写真が印象に残りました。日常生活を送っていると忘れてしまう世界の現状を伝えてくれる事に感謝しています。自分にも出来る事はないかと考えています。(30代 会社員)

●館内で上映されている最終審査のビデオにもあったように、大震災やリビアの事など「何を伝えるか」を受け、自分は「何を受け取ったか」を考えさせられました。特に思いが入った震災の写真には心を打たれました。(20代 会社員)

●創刊号から欠かさず購読しています。9.11から世界の様々な不条理、理不尽を感じてきましたが、今回の写真展では、いかに他国の出来事が自分にとっては対岸の火事であったのかと思わざるを得ませんでした。世界のどんな苦しい告発も、自国で起きた大災害とそこで暮らす人々の営みの写真のように身に迫ることはありませんでした。(30代 会社員)

●エジプトの革命の写真が印象に強く残りました。やはり雑誌で見るのとは違いますね。写真は好きで、以前は写真展などよく行っていたのですが、本物の写真の良さを忘れていました・・・・。エド・オウのパソコンを囲む若者たちの写真は、この部屋のタバコの匂いまで感じ取ることができそう。(40代 女性)

●モンゴルの環境難民の写真を見て。日本から遠くない国で、経済の発展と引き換えに起こっている公害問題、大寒波による被害、人々の暮らしや人生の崩壊など、私たちの知らないところ、見えないところで、こんな問題が起きているとは。(30代 女性)

●実際の写真をみて胸を打つ写真が多々ありました。大震災の写真は特に・・・・。加藤登紀子さんの「世界の聖域が一つずつなくなっていく」という言葉が心に残りました。また、十字架を立てている写真と涙を流して座り込んでいる女性の写真が特に印象的でした。(60代 会社員)

●「パレスチナ人による自爆攻撃で死者が出た」と言う作品の子どもの目が印象に残っています。福島の様子も初めて写真で見たので、心に残り、原発の問題について考えたくなりました。(10代 学生)

●「新・人間の戦場」のパレスチナ人女性の姿。検問所での女性から、言葉や叫びが溢れ出てくるようだ。それにしてもこの女性の「凛」とした表情。銃口は明らかに自分に向けられている。連続するフィルムのように、1分後の女性がどうなったのかを想像する。無事であって欲しいと。日常の1カットだろうが、心に残った。やはり、モノクロの中にこそドロドロした言葉が伝わってくる。

●フォトジャーナリストとは他の写真家と何がどう違うのか疑問でしたが、広河さんの「上手・下手ではなく、状況をどう理解し、どう責任を取るのか」という言葉から、自分でも考えてみたいと思った。(50代 会社員)

●「新・人間の戦場」のオリジナルプリントを見て、銃口を向けるイスラエル兵の「悲しさ」もまた、初めて感じました。(50代 男性)

●広河さんの取ったオマルの写真を見て、どこの国の人であれ、故郷を持ち想う一人の同じ人間だと思った。
瞳の奥深さを読みたくなる写真だと思います。(30代 会社員)

●アニマルワールドは、笑いがこぼれる楽しい写真でした。シマウマは良かったですが、ライオンは少々気の毒。(60代 女性)

●「これでも食らえ!」が良かった。(50代)

●風呂につかる猿の写真とライオンを蹴るシマウマの写真に心がなごみました。(60代 会社員)



皆さまの感想を読んでいると、普段自分が感じているのとは全く違う角度からの視点に、こちらがハッとすることが、よくあります。まだまだたくさんの感想を頂いておりますので、またご紹介致しますね。

地球の上に生きる2012
●DAYS JAPAN
フォトジャーナリズム写真展
5月4日(金)〜21日(月)入場無料
10:30−19:00(最終日15:00まで)
新宿コニカミノルタプラザ
http://www.konicaminolta.jp/plaza/schedule/2012may/daysjapan/
≪展示内容≫
第8回DAYS国際フォトジャーナリズム大賞
「新・人間の戦場」からパレスチナ他
アニマルワールド



また、同じく新宿にあるニコンサロンで開催中の広河隆一写真展「アフガニスタン―長過ぎた戦争」も併せて、ぜひご覧下さい。

●広河隆一写真展「アフガニスタン―長過ぎた戦争」
5/1 (火) 〜5/14 (月)
10:30~18:30(最終日は15時まで)会期中無休/入場無料
新宿ニコンサロン/ニコンサロンbis新宿
〒163-1528
東京都新宿区西新宿1-6-1
新宿エルタワー28階
TEL:03-3344-0565
http://www.nikon-image.com/support/showroom/shinjuku/#salon



DAYS JAPANの真髄を一度に感じられることができる、二つの写真展の同時開催です。
皆さまの御来場を心からお待ち致しております。

営業・企画担当
佐藤典子





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2012年04月02日

久米島ホタルの会ブログで紹介されています「沖縄・希望21」

福島の被災児童のための保養センター「沖縄・希望21(仮称)」を
久米島ホタルの会の方が紹介して下さいました。

久米島ホタルの会だより
http://kumehotarunokai.ti-da.net/e3390952.html

http://kibou21-okinawa.blogspot.jp/

ご寄付は以下の郵便振替口座までお願い致します。

  【口座記号番号】 00180-5-763888
  【口座名称】 DAYS被災児童支援募金
  【代表】 廣河隆一

他行等からの振り込みの際は以下までお願い致します。
  【銀行名】 ゆうちょ銀行
  【店名(店番)】 〇一九(ゼロイチキュウ)店(019)
  【預金種目】 当座
  【口座番号】 0763888
※ 募金の一部は経費に用いられます。

どうぞ宜しくお願い致します。
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2012年03月11日

【掲載情報】朝日新聞(2012年3月11日版)

広河隆一の写真集「新・人間の戦場」DAYS JAPAN 初の増刊号「検証原発事故報道〜あの時伝えられたこと」3月9日に発売されました。その広告記事が本日2012年3月11日版の朝日新聞に掲載されました。

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2012年03月01日

福島の被災児童のための保養センター「沖縄・希望21(仮称)」

プレスレリース

福島の被災児童のための保養センター「沖縄・希望21(仮称)」
計画発表・現地記者会見のお知らせ

日時:2012年3月30日午後2時−3時
場所:沖縄県久米島山城(やまぐすく)
出席:広河隆一 (主催団体から)「沖縄・希望21」(仮)代表世話人 DAYS JAPAN編集長、フォトジャーナリスト、チェルノブイリ子ども基金顧問)
   石井竜也 (支援をする立場から)(アーティスト、元米米CLUB、「沖縄・希望21賛同人」)
   平良朝幸 (迎える立場として)(久米島町町長)

「沖縄・希望21」から
私たちは沖縄で福島の子どもたちの保養センターの建設を目指していましたが、このほど多くの候補地の中から久米島に場所が決定しました。この後すぐに改修工事に入り、本格的な子どもたちの保養を準備することになります。完成すれば日本で最初の本格的な事故被災地の子どもたちの保養センターが誕生することになります。そこでこのほど現地で、計画の詳細の発表を行いたいと思っております。多くの方々の取材をお待ちしています。

賛同人
石井竜也 宮崎駿 山田洋次 加藤登紀子 吉永小百合 下重暁子 水越武 池田香代子 熊切圭介 川島進 落合 恵子 ナターシャ・グジー 浅尾省五 斎藤美奈子 矢ヶ崎克馬 与那嶺路代 見城美枝子 千葉麗子 新谷のり子 鴻上尚史 ピーター・バラカン 中村征夫 大石芳野 田中優 青柳拓次 民 UA おしどりマコ&ケン 西谷修 向井雪子 黒部信一 鈴木薫 石原エミ 竹野内真理 上地昇 OKI 根元きこ 木村肇二郎 綿本彰 織田好孝 ほかの方々(敬称略・3月26日現在)

後援団体
DAYS JAPAN DAYS被災児童支援募金 未来の福島こども基金 チェルノブイリ子ども基金 広河隆一写真展事務局 アウレオ いわき放射能市民測定室たらちね TRCN(3月20日現在)

お問い合わせ先:DAYS JAPAN 03−3322−0233  FAX 03−3322−0353(広河) 
※保養所予定地(場所等)については 
久米島町役場福祉課 098−985−7124(山城)


福島の子どもたちのための保養センター「沖縄・希望21」設立計画(広河)

これまで子どもたちのための保養施設の計画をご支援いただきましてありがとうございました。おかげさまで建設予定地が、沖縄県久米島に決まりました。那覇から飛行機で30分、船で4時間弱の距離です。東洋一と言われるサンゴ礁の白浜が7キロも続く「ハテの浜」をはじめ、見事に美しい景観に包まれた島です。
この島の高台の海を見晴らす土地に、陶芸工房の跡地があり、ここを改修して子どもたちの施設にすることになりました。島の役場をはじめ、地元では福島の子どもたちの受け入れのための大きなご協力をいただいています。

2011年3月11日、東日本大震災の発生によって、福島第一原発が大事故を起こし、放出された放射能により、福島県の多くの地域が、国の定める「放射能管理区域」を上回る汚染地に変わってしまいました。汚染は福島県にとどまらず、周辺の県からはるか遠方に及んでいます。
この事故による最大の被害者は子どもたちです。最も大切な成長期を放射能とともに過ごすことになる影響は、計り知れません。子どもたちのこれ以上の体内被曝の進行を遅らせるために、対策が早急に求められます。

私が1991年に設立した「チェルノブイリ子ども基金」は、これまでに2つの中心的な活動をしてきました。その一つは小児甲状腺がんの子どもたちの救援であり、もう一つは避難民の子ども及び高濃度汚染地に住む子どもたちの保養です。後者のために私たちは、ベラルーシとウクライナでの保養施設の建設と運営支援を続けてきました。ベラルーシに建設したのは「希望(ナデジダ)21」という保養施設で、スポーツ・文化センターをもち、森と湖に囲まれ、常時200人を宿泊させることができ、ここには汚染地に住む子どもたちが学校のクラスごとに1か月弱交替で滞在しています。

3・11事故の後、私たちは「DAYS放射能測定器支援募金」と「未来の福島こども基金」に寄せられた募金によって、福島県内6か所の食品放射能測定所建設を支援してきました。しかし測定所支援に多くの他の団体も乗り出した後、私たちは20年近くにわたる保養施設支援の経験を生かして、福島の子どもたちの保養施設建設を呼びかけることにしました。
被曝の後、抵抗力を失い、その結果病気を発症してしまうことを防ぐ最もいい方法の一つが保養であることを、私たちは長年の経験から学んでいます。




「沖縄・希望21」事業企画案
私たちは、建物と土地を手に入れましたが、改修と設備導入を行い、宿泊施設、食堂、厨房、風呂、ラウンジ、健康管理施設、食品放射能測定施設、学習・ワークショップ施設などを建設しなければなりません。小学生や中学生がクラス単位で訪れることができるようになったら、島の学校の校舎を使わせていただき、体育や音楽や図工は島の子どもたちと共に学習できるように久米島町にお願いするつもりです。
まず第一期の目標として月100人、年間1200人の収容を目指したいと思っています。学期中は未就学児と母親、休暇の時期には小中学生。そして福島県の教育委員会が許可を出した段階で、学校のクラスごとに受け入れを開始したいと思っています。
この久米島の保養施設は、事故で被災した子どもたちにとって日本で初めての本格的な施設になるでしょう。この施設を守り育て、一人でも多くの子どもたちに、「健康」をプレゼントすることができるようになれば、他の土地でも、第2第3の施設が誕生していくと信じています。
さらに地元から学び交流することも、子どもたちの人生の大きな成果となるように、久米島の人々と共同の企画を立てていきたいと思います。また私たちの事業の特徴は、さまざまな著名な方々の支援をいただいていることです。その人々にワークショップを開いていただき、地元の子どもたちも交えて学ぶ機会を得たいと思っています。また同時に島の人の主催するワークショップにも、福島の子どもたちが参加し、島の歴史と文化を学ぶ機会にしたいと思っております。
 なお現在この運動は、月刊誌DAYS JAPANが中心になって募金が活動で進めていますが、近い将来、子どもたちや母親を保養に送り出す福島のグループ、資金を集める東京のグループ、そして現地で施設を運営する久米島のグループを作り、久米島を中心とした法人が運営主体となるようにしたいと思っています。
 私たちは、沖縄に保養の場所を選定するにあたり、沖縄の歴史を配慮しなければならないと考えております。基地に象徴されるように、様々な問題を沖縄に押し付けるとみられることは、十分に注意をしなければなりません。そしてこの企画は、地元を配慮し、地元の人々とともに進め、地元の人々にとっても様々な利益をもたらすと感じてもらえることが、子どもたちの支援を長続きさせるポイントであると考えております。またこの企画はいっさいの利益を目的とするものではありません。


資金について
職員は10人から15人必要と考えています。これらのうち何人かは福島県から来ていただくつもりです。子どもについては、一人当たり交通費を含め最低5万円かかるとすると、1か月100人受け入れると500万円。1年で6000万円になります。施設の準備から保養費まで合わせると、初年度は1億5千万もの資金が必要になります。
しかしお金が準備できてから保養計画を考えようなどという悠長なことを言っていられません。子どもたちの健康を守るためには、こうした試みは遅いくらいです。昨年日本全国が保養のために受け入れた子どもの数は数万人に上りますが、それでもまだまだ少ないといえます。最も高額な経費が必要とされるものは交通費です。この問題はこれから解決していかなくてはなりません。
本来こうした事業は国や電力会社がやるべきものだという意見もありますが、国が動くべきだからといって、それまで子どもを放っておいていいというわけにはいきません。ベラルーシの「希望21」は、当初、ドイツ、ベラルーシ、日本のNGOの手で運営されていました。しかし現在は、ベラルーシ政府が主たる資金を拠出しています。やがて日本でも、国がもっと大規模に子どもたちを支援する活動に取り組むことを願っています。それまで私たちは頑張らなくてはなりません。
あらゆることに先んじて、今は子どもを助けることが必要です。たとえ1か月弱でも美しい空気と光に包まれて、安全な食べ物を食べ、思い切り毎日を楽しんで、ストレスから解放され、免疫力を高める生活が、子どもたちに一番必要とされることなのです。そして注意深く子どもを健康管理し、早期に対策を講じることも必要です。日本の中の他の場所での試みと連携することによって、子どもたちは1か月といわずさらに長期の保養が可能になるでしょう。

募金のお願い
私たちは、皆様に次のようなご協力を呼びかけます。
A:個人、企業、自治体の方からの、募金のご協力。
B:1人の子ども(あるいは一組の母子)を25日間受け入れるための「スポンサーシップ制度」へのご参加。1口5万円。
C:子どもたちに向けての、さまざまなワークショップのご提案とご参加。
D:以上の宣伝へのご協力。

保養に応募の方へ
詳細は4月1日以降、次のホームページでお知らせします。応募用紙を事務局にお送りください。汚染のひどい場所から順に、福島県の「いわき放射能市民測定室」の人々の手で選考していただき、受け入れのお知らせをします。
URLアドレス: http://kibou21-okinawa.blogspot.jp/ 沖縄・希望21

2012年3月26日
DAYS JAPAN編集長
DAYS被災児童支援募金代表
「沖縄・希望21」代表世話人
広河隆一


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ご寄付は以下の郵便振替口座までお願い致します。
  【口座記号番号】 00180-5-763888
  【口座名称】 DAYS被災児童支援募金
  【代表】 廣河隆一

他行等からの振り込みの際は以下までお願い致します。
  【銀行名】 ゆうちょ銀行
  【店名(店番)】 〇一九(ゼロイチキュウ)店(019)
  【預金種目】 当座
  【口座番号】 0763888
※ 募金の一部は経費に用いられます。
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2012年02月29日

【今夜0:00〜パブリック・プライズ投票の開始!】

【今夜0:00〜パブリック・プライズ投票の開始!】

DAYS JAPAN定期購読者の皆さん、お待たせ致しました。
いよいよ今夜0:00〜第8回DAYS国際フォトジャーナリズム大賞
【パブリック・プライズの投票】が開始されます。

パブリック・プライズ候補作は、専用投票サイトから、
日頃DAYSを支えて下さっている定期購読者の方のみがご覧いただけます。
パブリック・プライズにノミネ―トされている作者は16名。
世界の著名な写真賞を受賞しているフォトジャーナリストの作品をはじめ、
いずれも心の奥深くに響く、迫力ある作品ばかりです。

投票サイトへは、DAYホームページのトップサイトにある、
第8回DAYS国際フォトジャーナリズム大賞 パブリック・プライズのバナーから入って頂けます。
http://www.daysjapan.net/

投票に付きましては、以下の点にご注意ください。

@このサイトは3月1日0:00〜24:00の間のみ開設されます。
それ以外の時間の投票は無効ですので、ご注意ください。


Aこのサイトで投票できるのは、DAYS JAPAN定期購読者の方だけです。
投票には定期購読者専用の電子版DAYSのログインIDとパスワードが必要となります。
(DAYS JAPAN3月号が送られてきたときの封筒に記載されています)
IDとパスワードは他人に教えたり、SNS等で公表しないようにお願い致します。

B専用サイトに入りますと、ノミネートされた16名の作品と、タイトル、名前があります。

C各作者の写真をクリックして頂きますと、各5枚ずつの写真をご覧頂くことができます。
全員の写真をご覧頂いた後、良いと思った作者を1〜3の選択ボックスの中からそれぞれ各1名、合計3名を選んで下さい。(同じ作者は選ばないようにして下さい)

D投票はお一人様につき、1回限りとなっております

Eお名前、お電話番号は必須項目になっております。
記入がない場合には投票できませんので、お気をつけ下さい。

皆さまの投票が、決める、パブリック・プライズ。
3月1日0:00〜24:00。
あなたが選んだ一枚が、世界を変えていくかもしれません。

営業・企画部
佐藤典子
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2012年02月06日

DAYS JAPAN 雑誌編集経験者急募

DAYS JAPANの編集者が、やむを得ぬ家庭の事情で職場を離れられました。
すぐに働ける経験者を求めます。

●内容
 月刊報道写真誌DAYS JAPANおよび単行本の企画・編集・進行
●資格
 雑誌編集経験者。
 Photoshop,Illustratorの基本スキル要。
 ジャーナリズムに関心が高く、本誌の志に共感する方。
 ビジュアルな感覚の持ち主。
●待遇
 社会保険完備。
 給与ほか当社規定による。
 経験・能力を考慮の上、優遇。
●応募方法
 履歴書(写貼)、職務履歴書、志望動機、編集に携わった企画のコピーを下記までお送り下さい。
 書類選考後、通過者のみ面接日を連絡。(応募書類はお返し致しません)



また同時に広河事務所の方でも、職員を募集します。
事務整理能力が優れている人、パソコンの能力がある人を募集します。
履歴書をお送りください。委細面談。


デジタル版DAYSを担当してくれる人も募集。
履歴書とともに、現在のDAYSのホームページ(http://daysjapan.net/)、電子版DAYSインターナショナル、日本語版(http://daysinternational.net/jp/)と英語版(http://daysinternational.net/en/)に対する感想と改革案をお寄せください。


株式会社デイズジャパン
〒156-0043 東京都世田谷区松原1-37-19 武内ビル402
Tel:03-3322-0233 http://www.daysjapan.net/
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2012年02月05日

琉球新報(2月4日版)に「DAYS被災児童支援募金」に関する記事が掲載されました。

琉球新報(2月4日版)に「DAYS被災児童支援募金」に関する記事が掲載されました。
【ニュース元サイト】http://goo.gl/lIcUw


以下、転載となります。
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福島の子に保養所を 「DAYS JAPAN」広河さん呼び掛け2012年2月4日

 報道月刊誌「DAYS JAPAN」の広河隆一編集長らが、沖縄に福島の子どもたちの保養所「沖縄こども文化村」を建設するため、土地を賃貸・売買してくれる人や資金を募っている。広河さんは1月31日来県し、大田昌秀元知事に協力を求め、県内に避難する被災者から事情を聴いた。「(被ばくした可能性のある)福島の子どもたちの発病を防ぐには保養という支援が重要」と訴えている。
 広河さんは1991年に「チェルノブイリ子ども基金」を設立。ベラルーシとウクライナにそれぞれ保養所を建設した。宿泊棟や教室、スポーツ施設などを備え、核汚染地域の子どもたちを教師と一緒に1カ月交代で招待している。
 沖縄では、クラスごと受け入れられるよう約40〜50人規模の宿舎と食堂兼講堂、ワークショップ教室を整備する予定。子どもたちは無料で利用できる。芸術家によるワークショップも計画しており、加藤登紀子さんらが協力の意向を示しているという。
 建設・運営費用は募金で賄う。広河さんらは昨年、「DAYS被災地児童支援募金」と「福島の未来こども基金」を設立した。建設には最低5千万円必要という。
 広河さんは「沖縄は子どもたちが名前を聞いただけで目を輝かせる場所。沖縄にとってもためになるよう、地元の子どもたちも利用できるようにしたい」としている。
 問い合わせは「DAYS JAPAN」(電話)03(3322)0233。
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2012年02月04日

【NEWS】アメリカ「辺野古断念」へ

本日2月4日の沖縄タイムスにアメリカが「辺野古断念」のスクープが掲載されています。
【ニュース記事】http://goo.gl/DF9EG

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2012年01月13日

2012年01月12日のつぶやき

DAYS_JAPAN / DAYS JAPAN
【新・人間の戦場】先行予約のお知らせ http://t.co/wmbj9wJ6 at 01/12 20:51

DAYS_JAPAN / DAYS JAPAN
【脱原発世界会議】広河隆一写真展が開催されます! http://t.co/Xrjth1S4 at 01/12 20:50

DAYS_JAPAN / DAYS JAPAN
【DAYS JAPAN 8周年記念イベント】の最新情報です!! http://t.co/hp3V6vGQ at 01/12 20:50

DAYS_JAPAN / DAYS JAPAN
DAYS JAPAN 1月号【読者の感想から】 http://t.co/lsATTRwZ at 01/12 20:49

DAYS_JAPAN / DAYS JAPAN
『2012年01月11日のつぶやき』DAYSから視る日々|http://t.co/pB1YYsm5 at 01/12 00:32
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