2014年05月06日

【工業都市 ノリリスクの汚染】DAYS JAPAN 5月号

「北極」ということばから想起される「純白の世界」のイメージ。
あらゆるものを凍てつかせる、無情なまでの清浄さ。
白い獣たちの命が踊る、果てしなき雪と氷の世界。
しかしそれは儚い夢でしかなく、
人目に着かぬ最果ての地は容赦ない工業汚染に蝕まれている。

悲しい事実をつきつけてくるのはエレーナ・チェルニショヴァの写真。
第10回DAYSフォトジャーナリズム大賞 審査員特別賞【工業都市 ノリリスクの汚染】です。

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ノリリスクは北極圏最大の都市のひとつ。
最大といっても交通手段は限られ、最も孤立した都市ともいえる。
そこで操業するのがニッケル、パラジウムの世界最大手、ノリリスク・ニッケル社。

ニッケルやパラジウムといってもピンと来ない人が大半だと思うが、
ニッケル合金はステンレスのお鍋等にもなり、50円とか100円硬貨にも使われる。
パラジウム合金は電子部品はもとより、ジュエリーなどにも使われいるので、
実際は誰もがお世話になっている、といえましょう。
そして、ともにロシアが主な産出国なので、
ウクライナの情勢不安でパラジウムの価格も高騰しています。

日本人とも深い関わりのあるニッケル・パラジウムの鉱工業がもたらしたのが
深刻な環境汚染で、ノリリスクは「世界で最も汚染された10都市」のひとつと言われ、
ダイオキシンや二酸化炭素など毎年200万トンの有毒ガスを排出する。

5月号に掲載された写真は、汚染の凄まじさを想像するに余りある。
セルリアンブルーの美しい空が有毒ガスに侵されて行く様は、見るに忍びない。
当然、がんや呼吸器系の疾病を中心に、住民への健康被害も深刻である。

自分の目には入らない世界には、とかく楽観的な想像を当てはめてしまう。
それは福島第一原発の状況を直視せず楽観的な将来像を描く、
現在の日本社会のムードにも良く顕れているのではないか。

「大切なものはね、目には見えないんだよ」って、有名なことばには、
とても多くの人が共感している。
さらに「自分の目に見えないところから、世界は駄目になるんだよ」って
ことばも付け加えてもらわないと、人の心は動かないのかもしれない。

写真は新宿コニカミノルタプラザでも5月8日まで展示。
http://goo.gl/tLy2MX
記事の詳細は発売中のDAYS JAPAN 5月号で、ぜひ。

暴力的に大地から奪い、毒を大気に押し付けて、
本当に得をするのは、どこの誰なんだろう?
だれか答えを持っていたら、ぜひ教えてください。

どうぞよろしくお願いします。

営業部
佐藤典子









posted by デイズジャパン at 12:54| Comment(0) | 営業部 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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