そこに、被害を受けた女性や子どもたちが集まるシェルターがある。
創設者は、自らも壮絶なレイプや虐待の体験を持つ女性。
その活動は武力勢力の攻撃の対象にされているが、
彼女の存在は被害を受けた女性たちにとって一筋の光となっている』
DAYS JAPAN 11月号《レイプ被害者のシェルター》リード文
暗い部屋の中で、天を仰いで祈るような姿の女性。
ここは彼女の自宅であり、言い表せないほどの痛みを胸に秘めています。
彼女の自宅のあるプガンカ村では578人の住民のうち、
200人がレイプや虐待の被害に遭いました。
政権争いや部族抗争、豊富な資源をめぐる諸外国の介入などで、
治安が安定しないコンゴで、レイプ被害に遭った女性は、更に追い討ちを受けます。
「不純」という偏見のもと、家族や地域社会からも追われてしまう。
これは決してコンゴに限ったことではなく、女性問題が孕む本質的な矛盾と言えるでしょう。
APDUD「権利を奪われた女性たちの連帯と進歩を目指す組合」の創設者レベッカ・マシカ・カシュバは、自身も98年に自宅に押し入ってきた暴徒たちに夫を殺害され、財産を奪われ、彼女だけではなく当時9歳と13歳だった娘までレイプ被害に遭う、という壮絶な経験を持ちながら、同じような被害に遭った女性たちのために、懸命の活動を続けている。
被害に遭った翌年、ブガンガ村に被害者のためのセンターを作り、
すぐにシェルターハウスの役割を果たすようになった。
2002年にAPDUD「権利を奪われた女性たちの連帯と進歩を目指す組合」と改称。
これまでに6000人の女性がここに援助を求め、今も200人が暮らす。
『絶望したことは何度もあるけれど、
ここにいる女性たちや子どもたちが勇気をくれるわ』
マシカの言葉には、言い知れないほどの重みがある。
2010年人権団体アムネスティから大きな賞を受けたマシカ。
普通のたった一人の女性が持つ力が、
こんなにも大きなものなのかと、あらためて驚き、
また強く勇気づけられた記事です。
営業部
佐藤典子
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