2013年05月22日

『帰還の坑道』について、広河より

今年はナクバ(パレスチナ難民が発生し、イスラエルが誕生した1948年はこう呼ばれる)から65年。先週、イスラエルのハイファ大アジア研究学科のセミナーで、私のドキュメンタリー映画「ナクバ」が放映され、討議されたと知らされた。どんな議論になったか気になる。

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この映画の最後は、私が昔住んでいたユダヤ人コミュニティの隣接地を追われて国内避難民になったパレスチナ人が、昔の村を訪ねていくところで終わっている。
ナクバ劇場版は日英仏アラビア語訳がなされ、そのあと私は全30巻のアーカイブス版を日英版で制作した。全部を見た人は世界でもそう多くはないだろう。パレスチナ問題の起源を掘り起こしたドキュメンタリーだ。

私の唯一の小説「帰還の坑道」は、20年以上前に講談社から「破断層」という名で発売。文庫本にもなったが、その後私はフォトジャーナリズムの仕事に没頭し、2作目を書くことはなかった。

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最近読み直して、この小説の役割が非常に大きいことに気づき、今の人々に読んでほしいと願い、加筆してDAYS JAPANから再刊した。パレスチナ問題と地質学をベースをした長編ロマン。

広河隆一

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posted by デイズジャパン at 16:20| Comment(0) | 編集長便り | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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