2013年05月19日

6月号北海道がんセンター名誉院長西尾氏特集「ウソだらけの放射線と健康障害」参考論文の紹介

北海道がんセンター名誉院長西尾正道氏の特集「ウソだらけの放射線と健康障害」につきまして、より詳しくお知りになりたい方へは、
参考に、京都大学原子炉実験所助教今中哲二氏編、「チェルノブイリ事故による放射能災害 ―国際共同研究報告書―」を参照した琉球大学名誉教授矢ケ崎克馬氏の論文を紹介します。

(6月号特集本文
――セシウム137からのガンマ線が、尿から1ベクレル検出されれば、体内では実際にはベータ線とガンマ線の各1ベクレルを被曝していることになりますが、測っているのはガンマ線だけなのです。セシウムが1ベクレルあることがわかったら、実際には体の中では2ベクレル被曝していることになります。実際のガンマ線の測定値の倍の放射線が出ているのです。)


尿中のセシウム、具体的な事実から科学すれば「安全・安心」とはいえない:矢ケ崎克馬氏の警告
http://peacephilosophy.blogspot.jp/2012/09/blog-post_19.html

2.セシウムの体内存在量
2-1.具体的計算
(1)@おしっこから放射線が測定されたならば、そのベクレル数からおしっこ1kgに含まれるセシウム原子の数がわかります、それはセシウムの物理的半減期から計算できます。
Aさらに、原発事故で放出された放射性微粒子の中には、たくさんの放射性元素がふくまれていることが確かめられています。セシウムが存在するならば必ず尿中に ストロンチウム、プルトニウム、ウラニウム等の放射性原子があることを念頭に置かなければなりません。微量でも身体には特に有害とされていますが、ここで は計算の対象にはしません。
Bセシウムの崩壊はベータ線を出してバリウムに変わります。バリウムはガンマ線を出して安定なバリウムに変わります。この時放射平衡と言って、ベータ線が1本出るとガンマ線が1本出る状態となりますので、便宜的にバリウムの出すガンマ線をセシウムのガンマ線と言っているのです。通常ガンマ線を測定し、ベクレル数を出しますが、身体の中では必ずベータ線とガンマ線が放出されています。ですから1Bq/kgという測定は内実は2 Bq/kgなのです。(カリウム40は1回のベータ線放出で安定カルシウムに)

(2)1日でどれだけのおしっこが出るか、汗がどれだけ出るか、うんこがどれだけ出るか、を推定(測定)し、それらから1日でどれだけの量のセシウムが排泄されたかがわかります。

(3)1日のセシウム排泄量がわかると、それから生物学的半減期を用いて身体の中の血液やリンパ液中にあるセシウムの総量がわかります。生物学的半減期は年齢によって、また個人の体調によって異なりますが、平均的な半減期が知られていますので、その生物学的半減期を用いて、計算できます。ただし、臓器に蓄積されている量は存在することは確かですが、定量的に求めることは、おしっこ測定ではできません。

(4)計算を簡単にするために@尿中に1Bq/kgの場合に対して計算する。セシウムはCs137とする。物理的半減期は30年です。二つのケースで試算します。第1は、尿の量は、1日1リットルとして、放射性物質は尿以外には無いと仮定します。第2は、尿の量は1日1.5リットルとし、放射性物質が排泄されるのは尿、糞、汗の中にあり、全体の70%が尿中に排泄されると仮定します。全ての試算に於いて第2の場合は括弧で示します。
計算の結果は、1日で排泄される尿(汗、糞)中の放射性セシウムの総量は1.37x109(2.87x109 )(個):13億7千万個(28億7千万個)。
(5)次に血液やリンパ液に混じっている放射性セシウムの量を計算する。排泄された量から生物学的半減期に従って計算できる。おとなの生物学的半減期を80日、子どもで40日と半減期を仮定します。結果はおとなの場合、1.58x1011(3.31x1011)(個):1580億個(3310億個)、全身での被曝線量は、115Bq (242Bq)、 子どもの場合は、0.79x1011(1.66x1011)(個):90億個(1160億個)、全身での被曝線量は57.6Bq (121Bq) 。これらは約2Bq/kg(4Bq/kg)(おとなも子どもも)となります。これらはベータ線も考慮すれば、ベクレル数だけで倍になります:約4Bq/kg(8Bq/kg)であり、ガンマ線だけで尿中に2Bq/リットル あればベータ線を加えると、約88Bq/kg (16Bq/kg)で下記のように「危険汚染度」の領域になります。

2-2.体中にあるセシウム量で判断できる危険
ベラルーシのゴメリ医科大の研究によって明らかにされたことは、体重1kgあたり20から40ベクレル(Bq)で心電図などに異常が発生したことです。
 ベータ線とガンマ線が同数放出されていることと、臓器に蓄積されているセシウムは上記に計算された量以外に、独立して放射を継続していることを考慮しなければなりません。ベラルーシのバンダジェフスキー氏の亡くなったベラルーシ市民の臓器解剖の結果、セシウム137は調査した全ての臓器に蓄積されており、子どもにはおとなの単位質量当たりの蓄積量の2倍程も蓄積されていたことを示しています。上記計算結果はあくまで血液やリンパ液中のセシウム137の量であり、臓器に蓄えられた量は計算に入っていません。
 臓器内蓄積量を考慮すると、1Bq/リットルでも十分危険領域の汚染となります。
 チェルノブイリの放射性微粒子がヨーロッパにも降り注ぎましたが、胎児に対しては、0.3mSv の吸収線量で小児白血病の過剰リスクが3倍なったという報告がなされています(Busby. int j environ res public health. 2009 dec;6(12):3105-14)。
 放射性物質の人体汚染の量についての情報は定かではありませんが、ウクライナのルギヌイ地区の汚染度は、郡山市と同程度で、福島市より少ない汚染度の場所ですが、子どもの甲状腺の疾病率は事故9年後で、10人に1人のわりあいで、甲状腺ガンは1000人中13人に上ることが報告されています。事故後6年目で男性の平均寿命が75歳から60歳に減少し(女性は5〜8年減少)、全般的な健康不良、免疫力低下など酷い健康被害が報告されています(イワン・ゴトレフスキー、オレグ・ナスビット :「ウクライナ・ルギヌイ地区住民の健康状態」:今中哲二編「チェルノブイリ事故による放射能災害」 ―国際共同研究報告書― (技術と人間、1998年))。おしっこに1Bq/ リットルといえども決して軽視して済むものではありません。


posted by デイズジャパン at 16:53| Comment(0) | 編集部 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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