2013年02月19日

広河隆一編集後記【DAYS JAPAN 3月号は明日発売です】

明日発売の3月号編集後記です。
広河隆一の熱いメッセージを、ぜひお読みください!

私たちは今どこにいるのだろう。
前に進んでいるつもりが、いつのまにか元いたところに
戻ってしまっている。それより悪いかもしれない。
かつてあったことをなかったことにしようとしているのだから。
 
あの日から2年。私たちが作り出してしまった醜い世界の姿を突き
付けられて、人間であることを取り戻すには、
根元的なところから変わるほかないと思い知ったはずだった。
それなのに今、なぜ私たちはこんなところに立っているのだ? 

自分たちの中に「しきい値」を設け、
ここまでならいいかというラインを引いてしまうようになったのはなぜだ。
現実を生きていくのが大変だからといって、目を覆って、
耳を覆って、それで済むというのか。
むしろ野良犬の気概をもって、自分には牙があることを思い起こして、
生きていこうとしていたのが、気が付くと飼い犬に餌を分けてもらっている。

怒りを忘れてしまったのだ。確かに怒り続けるのは、大変だ。
それにあの怒りは国会を包囲さえしたのに、
何も変えはしなかったではないかと言う人がいる。それはちがう。

持続し燎原の火のように広がる怒りが必要なのだ。
大地を失い、健康や命さえを失うかもしれず、打ちのめされた人々がいる。
実は彼らだけではない。
すべての人間が瀬戸際に立たされている。

彼らにも、自分たちにも「すべてを忘れなさい」、とでもいうのか。
怒りを忘れて、牙を収めさえすれば、安穏な生活が戻るとでもいうのか。
 
あの時、より遠くへの避難を呼びかけた人々は、
もっともまっとうな人々だった。
それを今わからない人も、
数年のうちに打ちのめされるように思い知ることになるだろう。
しかし「遠くへ!」と叫んだ人が今バッシングを受けている。

過去を直視することをあきらめた人は、未来もあきらめることになる。
来た道が見えない人間は、自分の前に続く道も見失う。
 
怒りは闘いを避けては鎮まることはない。
守るものを知っているなら、守りきるべきだ。
そのために何ができるか、歯を食いしばってとどまって、考えて、そして闘うべきだ。
今号に掲載された子どもや母親の声は、かき消すことができない。
私たちは、この声が小さくなり、あきらめのうちに鎮まることを許さない。
 
子どものために立ち上がるジャーナリストの会、
子どものために立ち上がる弁護士の会、
子どものために立ち上がる医師の会、
子どものために立ち上がるすべての仕事に就く人の会。
そして親の会。

仕事や立場の垣根を越えて、具体的な行動を始めよう。
3・11で敗北したのだということを、もう一度思い返そう。
私たちはすべて自然災害にではなく、人災に敗北し、
こともあろうに2年後の今も敗北している。

ここが踏ん張りどころだ。集結して、そして徒党を組もう。
もう一度問おう。原発事故から2年、私たちはどこにいるのか。
すべては終わったのだなどとは、口が裂けても言わすまい。



営業部
佐藤典子


posted by デイズジャパン at 20:49| Comment(0) | 営業部 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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