2011年10月06日

県民健康管理調査実施に際してのお願い(木村肇二郎氏)

福島県立医科大学副学長 山下 俊一殿      平成23年8月11日

県民健康管理調査実施に際してのお願い

長期にわたる本疫学調査は、将来県民に様々な健康被害が生じた場合に放射能との因果関係が特定されること、放射線医学の進歩にとっても有益であること、被曝補償においても適切な判断がなされる根拠となりうることなど本調査のメリットは多大なものがありますので、県民の一人としてとして大いに期待しております。

本調査の成功のカギは県民の理解と支持と協力が欠かせませんが、大変残念なことに、私の知る限り「県民を放射能漬けにした長期にわたる人体実験だ」との声が大変多いのが現状です。この健康調査が、県民の心に寄り添い、温かみのあるものとして理解され、成功するためには以下の事項が重要と考えますので是非ともご勘案頂ければ幸いです。

@ 福島県民は、全て放射能被曝者で危険な環境で生活せざるを得なくなったことを認め、謝罪することがこの調査を理解して頂くための大前提です。

A 国の責任で乳幼児・妊産婦・子供は年間1ミリシーベルト以上の地区からの避難を勧告し、集団学校疎開、サマーキャンプなどを準備し生活を補償する。

B 残留せざるを得ない人および他の全県民には、原発から放出している全核種放射能値を公開し、きめ細かい除染と食品検査と健康管理調査をする。

C 国は被曝者援護法を制定し福島県民全てに手帳を交付する。

D 健康管理調査委員会を設置し、メンバーは各階層の代表、特に子供のいる両親代表、高線量地区学校の先生、学識経験者、文化人などを結集し幅広い意見を集約し健康調査の内容をより実のあるものとする。委員会は議事録、傍聴を含め全て公開しオープンな形で事を進める。現状は、県、県立医大、検討委員会の名前があるのみで構成メンバー、設立の経緯など情報の公開が全くなされておらず、唐突に県民にアンケート用紙が配布されることになっており、理解協力を得るのは難しい。実地医療については医師会の協力欠かせないが、医師会と県民との信頼関係には乖離があるので本調査の県民への理解を医師会が担うことは逆効果が懸念されます。

福島県民が長期にわたり放射能を被曝し続けることになったことは慙愧に堪えません。人間の手に負えない放射能廃棄物を生産し続けることに一貫して異を唱え、人類生存のためには自然エネルギーを利用し、多少不便でも、ゆっくりでも、安心安全な社会を目指すべきと考えていた私にとって現状は痛恨の思いでいっぱいです。

原発を許して享受してきた私たち大人は、砂場、校庭、芝生で遊ぶ人生を奪われてしまった子供たちに謝罪しなければならないと思っています。そのために上記の提案をさせていただきましたので実現に向けてご尽力下さるよう心より願っております。

なお、同主旨を同級の大久保利晃放影研理事長にも送付いたしました。

                     木村肇二郎(県眼科医会副会長 木村眼科クリニック)      


posted by デイズジャパン at 10:32| Comment(0) | お知らせ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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