2011年08月18日

【編集長 広河隆一より】DAYS JAPAN 9月号編集後記

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 友人とこれからのことを話した。「DAYS 放射能測定器支援募金」はこれまで福島の数か所で「市民放射能測定所」を立ち上げるために「未来の福島こども基金」とともに、およそ1500 万円の募金を集め、食品検査器やホールボディカウンターの導入を手配した。募金は私たちの手で、運営は福島県の人々の手で、ということで進めてきた。しかし県では場所、人材、技術者そのほか運転資金も必要で、それを全て今の体制で支援することは不可能。そこで東京に、福島の運動とは協力関係にある独立した、募金と検査の基地を作る活動を始めることにした。できれば技術者や、ボランティアも育成し、関東の食品検査をするとともに、やがて福島県各地の市民放射能測定所を支援することもできる体力をつけていきたい。8 月24 日から横浜赤レンガ倉庫で始まる「DAYS フォトジャーナリズム祭」でも関連イベントを行う。25 年前のドイツの人々にできて私たちにできないわけがない。

 放射性ヨウ素による甲状腺がん発症を予防するため、自治体にアンケート調査をしたが(24 ページ)、その中の三春町の対応が素晴らしい。この町の子どもたちは、少なくとも将来の甲状腺がん発症の可能性が、他に比べて格段に少なくなったと確信できる。しかしほとんどの自治体は県の指示を待ち、県は国の指示を待ち、ヨウ素剤の配布をしなかった。子どもたちはまったく無防備で放射性ヨウ素にさらされた。これらの自治体は、子どもたちや妊婦を守るため、ぜひ疎開を支援してほしい。「チェルノブイリ汚染地で起こっていることは、体内被曝の壮大な実験です。でも必要なのは実験を続けることではなく、子どもたちを一刻も早く汚染地から移住させることです」(キエフ放射線医学センタータルコ医師。(「暴走する原発──チェルノブイリから福島へ これから起こる本当のこと」(小学館))(広河)
posted by デイズジャパン at 22:45| Comment(0) | 編集長便り | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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