チェルノブイリから23年:
史上最悪のチェルノブイリ原発事故から23年がたちました。今も後遺症に苦しむ人が多く存在し、また事件後に生まれた命にも影響を及ぼしているという事実が写真をとおして伝わってきます。表紙の写真の11歳の少女は、手術を2回、化学治療・放射線治療を65回も受けています。今回のレポートは、この事故が「23年前」の出来事ではなく、「23年間」も続いているという現実を明らかにしました。そして、いまだに苦しむ人々がいるという事実がありながらも、世界では原発建設が加速しており、日本にも原発は存在し、トラブルも続発しています。このレポートは、改めて原発について私たちに問いかけています。
営みの地球 チベット 祈りに生きる人々
今回の営みの地球は、昨年上野彦馬賞の「毎日新聞社賞」を受賞し、チベットを取材で注目されている写真家、野田雅也さんの取材です。彼が長期にわたり追い続けているチベット難民の現実がそこにはありました。チベット難民の亡命ルートとなっている雪山越えは危険と隣り合わせです。凍死や落下、中国兵に射殺され命を落とす人もいます。インドへ亡命したチベット難民は雪山越えの時に凍傷にかかり手の指や足を失ったものの、今の方が幸せだといいます。その言葉が、自由を求めた難民たちの現状は、チベット人がここまで追い詰められていることを私たちに伝えます。
世界のフォトエージェンシー インビジョン・イメージズ
世界のフォトエージェンシーを紹介するこのコーナーの18回目はギリシャに拠点を置く新しいエージェンシー、Invision Imagesです。多くの小さなエージェンシーが巨大写真エージェンシーに買収されてゆく写真業界で、新たなエージェンシーも生まれ続けています。このInvision Imagesもその一つです。ギリシャ人写真家の2人が、写真家の権利と写真のクオリティを守り、ギリシャの写真業界の状況を改善したいとの思いで設立しました。代表的な作品とともにエージェンシーの歩みを紹介していきます。まだ知名度も低い新しいエージェンシーですが、日本を含む世界各地で取材を行っていて、今後の活動が楽しみなエージェンシーの一つです。
(編集部1)