■最新号(09/08号)
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明日、最新号が発売されます。
雑誌の顔である表紙にどんな写真を持ってきてどんな色に仕上げるか。その作業は編集部が担当していますが、1スタッフとして納品された本誌を手に取る瞬間は、毎回大変緊張します。そして今回、少し黒が強い気もしますが、表紙に映る少女の肌の白さでその透明感は保たれてホッとしました。この少女は11歳にして、手術を2回、計65回の化学治療と放射線治療を受けているのです。透きとおった彼女の目は、短い時間の中で何を見て、何を感じてきたのか。30年近く生きている私の生き方を問われているかのように感じました。
23年も前に起きたチェルノブイリ爆発事故の問題まだ終わっていないのです。現地では、今でも信じられない状況が続いています。一目散に人々が逃げ出したままの幼稚園。バラバラの義足や人形が庭に落ちている家。壊れたままの乳母車。そして、今でも多くの子どもが、甲状腺や腫瘍の治療を受けていて、それは次世代にも続いていく。そんな状況がチェルノブイリの「今」なのです。しかし、それを伝えるマスメディアはほとんどありません。
2つめの特集として、カザフスタン共和国での核問題を取り上げています。モノクロの写真で小さな子どもたちが犠牲になっていることを伝えています。モノクロ写真に映し出される彼らの視線や瞳の輝きを見て、何を守っていきたいのか。守りたいものと、守っているものの矛盾の隙間を感じました。原発を50基以上持つ、日本の私たちは、彼らの歴史から何も学んでいないような気にさえなりました。
さて、最新号が出たらすぐにスタッフ会議をするのですが、今回は写真・構成ともに、安心して送り出せる仕上がりになったのでは、という意見になりました。今回は日本に住むブラジル移民や、ベトナム枯葉剤など、充実した構成になっています。個人的には、ブラジル特集見開きのブラジル人女性の写真、中村梧郎氏の写真の力強さと突然姿を消した辻出紀子氏の内容を特にみて頂きたいと思いました。また、ノーム・チョムスキー氏が鋭くアメリカの歴史をつき、広河も別の角度から言及している点は興味深いです。
手にとって読んで知ってください。
そして、周りの人たちにもお知らせください。
よろしくお願い致します。
(プロジェクト事業部)