2009年02月04日

ガザからのブログ(最終)

廃墟となった破壊の後の町でマリアムという女の子に会いました
呆然として歩いていました。何か大変な恐怖が彼女を襲ったように思えました。他の子たちは遊びまわっていても、この子はほとんど口を利かないのです。翌日、家族に会って、事情を聴きました。昨年12月27日、戦争の最初の日に彼女は学校にいました。そのとき近くに爆弾が落とされ、彼女の上に何かが落ちてきたのです。それは人間の体の一部とわかる肉片でした。恐怖で叫ぶ彼女を他の人が助けて建物の陰に隠したといいます。それから延々と爆撃が続きました。彼女の家はイスラエル国境に近いので、イスラエル軍の動きがよく見えます。彼女は窓のそばを恐れました。彼らから見えるからです。暗闇を怖がりました。いつも夜にイスラエル軍が攻撃してきたからです。彼女の家は破壊されましたが、心の中でどれほどのものが破壊されたのでしょうか。これも戦争犯罪と呼んでいいのではないでしょうか。

20日発売のDAYS JAPANの表紙には、このマリアムの写真を掲載しようと思っています。まもなくガザを出ます。エジプト政府が、ジャーナリストは早く出ろといってきたからです。ジャーナリストが立ち去るのも、人々は不安の眼で見ています。何が起こるのだろうかと。

広河隆一
posted by デイズジャパン at 14:15| Comment(1) | ガザ空爆 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ガザでの取材お疲れ様です。

マリアムちゃんの話を読み、絶句としか言い様のない、何とも表現しきれない気持ちになりました。

許せません。
知らなかったとはいえイスラエル商品を買い、間接的に自分もガザ空爆に関わっていたことも。
Posted by りさ at 2009年02月04日 18:03
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