2008年12月31日

2008/12/29ガーディアン紙社説

「2国家解決策が潰されている」
http://www.guardian.co.uk/commentisfree/2008/dec/29/israel-palestine

土曜日の午前11:30にイスラエルがガザのハマスに対してはじめた攻撃で、いったい何人の市民が殺されたのか、我々にはわからない。なぜなら、イスラエルがイスラエル人ジャーナリストとあわせて海外のジャーナリストがガザ地区に入ることを阻止しているからだ。

しかし、この空爆でパレスチナ人230人以上の死者を生んだことはわかっている。この40年間のガザで1日あたりで最大の死者数だ。昨夜の時点での死者数合計は290人にまで近付き、700人以上が負傷した。これがハマスの武装勢力からの数百発のロケットにたいする返答なのだ。こちらでは、半年でイスラエル人1人が殺された。しかし、いつもこのようなバランスなのだ。

また、我々は知っている。
この貧しい封鎖地域の通りが人でいっぱいだった土曜の朝に攻撃をする決断がなされたということは、人命軽視を示していることを。それは、イスラエルが彼らの敵にむけている非難と何もかわらない。この返答でカフェや店での自爆攻撃がなされるとき、そしてそうなるだろうが、イスラエルは恐怖につつまれるだろう。だがイスラエルは、今週末ガザで自国の戦闘機が流させた血については、心をとざすのだろう。

外相Tzipiリブニは、ロケット攻撃をやめないならハマスを潰すというイスラエル政府の意図について、声高に警告した。が彼女と防衛相エフード・バラクには責任がある。150万の人々で満杯のガザ地区の、100のターゲットに、100トン以上の爆発物をおとすということに。ハンマーでの一撃には、相手を恐怖に陥れるという目的がある。まさにそれが昨日イスラエルが行なったことだ。

死体や腕のとれた子どもたちを見たガザの学者、ハイダール・エイドは、ハアレツのジャーナリスト、アミラ・ハスにこう語った。「町々の中心部を朝の11:30という時間に爆撃するといういうのは酷いことだ。虐殺の規模を、できる限り大きいものにしようということだ。」

ターゲットになったのは、空爆が行なわれたときもぬけの殻だったハマスの武装組織の訓練施設ではなく、警察署(複数形)だった。空爆はハマスがガザを行政・軍事面で統括するために建てたインフラを破壊するためにおこなわれた。しかし、それはロケットを集めて発射した武装兵だけではなく、警察官を殺害することを意味したのだ。そしてまた、裁判官、役人、医者をもターゲットにすることをも意味しているのだろう。リブニ氏はイスラエル側の西岸でのパレスチナ自治政府との中心的な交渉役をつとめてきた。パレスチナ国家をつくるという目標においては、だれよりも政治的資本を投資している。

人口の半分をおさめているリーダーシップを物理的に潰すことで、中道的なパレスチナ国家をつくれるともし彼女が思っているのなら、完全に間違いだ。イスラエルの包囲政策の結果、ガザでのハマスへの支持は減るところを知らないし、今回の空爆の結果、ハマスへの支持はあがるだろう。

パレスチナ人は、常に、拒絶主義の一団を擁してきた。長いこと、ファタハがそうだった。イスラエルにも、パレスチナ国家を拒絶する者たちがいる。多数の入植者たちもそうだ。拒絶主義者を殺すことで解決策が見つかるだろうと考えることは、中東の歴史すべてを否定することだ。
昨日もイスラエルに降り続けたハマスのロケットにたいする、軍事的解決策などはない。地上侵攻も、ロケットを止めることはないだろう。ロケットをどこかに追いやることは出来るかもしれない。しかし、もしそうなれば、ハマスの次の戦法は東エルサレムのパレスチナ人を使ってtubes(真空管?)を発射することだろう。

ハマスの指導層には、戦って手にした状況が現在ある[Hamas's leadership also now has the conditions for which it has strived.]。かれらは11月にエジプトが提案した交渉をボイコットし、イスラエルとの境界を攻撃するためのトンネルを造り、イスラエルに数百発のロケットを発射した。彼らの戦法と戦略は抵抗の域を出ないが、これによってパレスチナ人がまとめられるわけではなく、ハマスがPLOでの場所を得ることにもならない。パレスチナの指導層内部での危機を一層深めることにしかならないのだ。なぜなら、パレスチナのどの一派も、自分たちだけで主導していくことはできないからだ。

分裂が深まるなか、実行可能なパレスチナ国家への見通しは後退していく。イスラエル流の衝撃と恐怖はイスラエル人とパレスチナ人双方が平和のうちに生き残るために必要なまさにそのプロセスを、麻痺させる以外、何ももたらしていない。

(訳:青柳 泉)


posted by デイズジャパン at 21:08| Comment(0) | ガザ空爆 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。