2008年12月24日

デジタルの波の間に間に

この十数年で出版はすっかりデジタル化した。
どういうことかというと、以前は写真といえばポジフィルムやプリントだったのが、現在は写真はほぼ電子データ化され、形の上ではCD-Rになった。フィルムを現像所に出して数時間待っていたのが、撮ったものがすぐデータとしてひとり歩きするようになった。

Windows95で、一家に一台のパソコンが当たり前になって十数年。編集者も記者も、デザイナーもカメラマンも、誰もがパソコンに向かう時代になった。職能の境界もあいまいになっているなあと思う。パソコンに向かう姿を見ても、誰もその人の職業を当てられない。

電子化は、「すぐ」と「タダ」を意味する。
インターネット環境さえあれば、書いた原稿が編集部に送られ、それが誌面になるのにほとんど時間はかからない。そして、限りなく無料に近い。原稿の到着を今か今かとポストやFAXの前で待ち、届いた原稿を整理して入稿していたのも、もはや中年編集者同士の昔話でしかない。
「郵便で今日送りましたから」と言われたものの待ちぼうけを食い、遅れに遅れた郵便の消印を見てがく然とするなどという経験は、これから先はもう得られまい。
早いし、楽だ。人間は楽な方に流れる。

さて、DAYS JAPAN編集部への投稿の大半がCD-Rになったのは時代の流れに沿ったものだと思うが、今でもきっちりと時間をかけたプリントを送って下さる写真家は多い。このところそういう若い写真家との出会いが何回か続けてあった。そのようにして出会った作品は、2009年2月号に掲載予定である(「豪雪の村」「災害に土地を追われて」)。

デジタル化を避けられない時代ではあるものの、モノクロのしっかり締まった大型プリントを見ると、アナログの味わいも捨てがたいという想いがじわりと湧いてくる。

どんな形式でも結構。DAYS JAPANは時代をとらえたフォトジャーナリズム作品の持ち込みを歓迎しています。
どうぞ、よろしく。

(編集部 H)
posted by デイズジャパン at 21:53| Comment(0) | 編集部 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

×

この広告は90日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。