2008年12月02日

9月号「ダンボールハウスの少女」から

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■DAYS JAPAN 2008年9月号
 http://www.daysjapan.net/koudoku/bn/bn200809.html

DAYS JAPANに何度もご登場いただいている権徹(Kwon Choul)さんの最新刊『歌舞伎町のこころちゃん』が12月に講談社より出版される。DAYS JAPANの08年9月号「歌舞伎町・ダンボールハウスの少女」に掲載された写真を中心に、東京・新宿歌舞伎町のコマ劇場前広場に父と暮らしていた6歳の少女を追ったフォトルポルタージュである。登場する女の子は、路上生活を脱して、母親と関東近県の児童福祉施設で暮らしているのを確認して本誌に掲載した。路上生活中に女の子の写真を発表したら、児童福祉事務所に強制的に保護されて親とは引き離され、場合によっては親御さんは児童福祉法違反で逮捕・送検という事態もありえただろう。
宣伝コピーに曰く「今度は中学生じゃない!!!」。ベストセラーの『ホームレス中学生』を意識してのことだろうが、漫才師のネタとリアリズムを混同したコピーには苦笑を禁じ得ない。

10月に開催された、日本ヴィジュアルジャーナリスト協会(JVJA)の写真展で、権さんのスライド・トークを聞いた。「欲望の街」と呼ばれる、東京・新宿歌舞伎町に深く分け入り、何万回もシャッターを切った権さんならではの、迫力ある写真が次々と映し出される。ヤクザ、警官、酔っぱらい、漂う少年少女、ホスト、ナイフ、血…。石原知事がプロのヤクザを取り締まる一方で、一般人の悪さは野放しになり、歌舞伎町は一種の無政府状態になっているという視点がユニークだった。向こう10年は発表できまいという物騒な画像もあって、歌舞伎町の第一人者の写真と飄々としたトークは有意義だった。居酒屋に会場を移しての二次会では、一滴も飲めない権さんを囲んで十数人が遅くまで話し込んだ。
「一度、組事務所に監禁されたことがあるほかは、あぶない目にはあってない」というが、カメラを持ってうろつくだけで通報されかねない時代に、カメラマンの安全保障もまた不安定であることこのうえない。自分の身を自分で守りながら、韓国からきた権カメラマンは、世界一安全な国の、もっとも危険が伴う街の取材にまい進してきた。
ホームレスの父と暮らしていたこころちゃんを助けたいと奔走し、中国・四川大地震で被災した子どものために寄付を募ったり、権さんが取材対象に注ぐ思いは熱い。
『歌舞伎町のこころちゃん』を見て、そんな思いを新たにした。

(編集部 H/11.28記)
posted by デイズジャパン at 12:51| Comment(3) | 編集部 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
DAYS JAPAN購読させていただいてます。
大阪出身でお笑い好きなのでしょ〜もないことですがコメントさせていただきます。
”ホームレス中学生”は事実ですよね〜。
漫才師のネタとは失礼では?
DAYS JAPANのような雑誌で世界中の現実を知ることも大事だと思っていますが笑いも大切ですよ〜!!
Posted by 幸 at 2008年12月17日 09:40
DAYS JAPANの愛読者です。
権氏の募金を募るなど行動するカメラマンとしての態度には見習いたいです。
Posted by 豊里友行 at 2010年03月19日 19:40
Posted by �e���r�d�b �l�� at 2010年08月12日 20:37
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