2012年09月19日

編集後記(DAYS JAPAN 2012年10月号)


DAYS JAPAN 2012年10月号
告発された医師
山下俊一教授 その発言記録

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 ペンクラブの昨年の会議で次のように話した。「もし自分を作家と呼ぶなら、震災時に何をすべきだったのか」「ジャーナリストと呼ぶなら何をすべきだったのか」。これは自分たちのアイデンティティをかけた問いかけであり、同時に「作家」や「ジャーナリスト」を包み込む、より大きな「人間」というアイデンティティをかけた闘いだ。なぜなら人間、生物の命が脅かされているからだ。
 20代のころパレスチナで、詩人のダルウィーシュに会った。彼が「身分証明書」という詩を発表した時、その最初のフレーズ「俺はアラブ人だ!」という言葉に、1000人の観衆が総立ちになった。これは「俺は人間だ!」という叫びだった。その人間というアイデンティティを崩壊させようとするのが戦争であり核である。
 DAYS JAPANは事故後は食品放射能測定器やホールボディカウンターを福島に寄贈する募金を進め、その後DAYS被災児童支援募金を設け、子どもたちを守るための運動を続けている。しかし子どもを守るというごく当たり前のことのために、これほど多方面の闘いが必要だとは思わなかった。医師、メディア、教育委員会、科学者、政治家・・・・・・。ドイツは原発の行方を決めるために、倫理委員会を設置した。我々の未来を決めるためには、専門家の意見だけではなく倫理が必要なのだ。
 子どもたちを放射能の囚人にしてはならない。急がなくてはならない。ペンクラブには具体的な行動を求めたい。こうした思いを込めて、今回は医師たちの責任に焦点を合わせた増ページ特集を組んだ。
 このペンクラブ会議で誰かが言った「尖閣諸島や竹島どころではない。今私たちの国土は、放射能に侵略され、失われている。国境の内部にそれは起こっている」。この言葉が心に響いている。(広河)
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DAYS JAPAN 10月号特集「告発された医師 山下俊一教授 その発言記録」

昨日、広瀬隆さんも言及していたDAYS JAPAN 10月号の特集「告発された医師 山下俊一教授 その発言記録」発売前に既にネット上で大変な話題になっています。http://goo.gl/Wf1Sx

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今回の特集は編集長広河隆一が渾身の力を込めた企画。事故直後の2011年3月20日から最近に至るまでの山下俊一教授の発言を資料としてまとめています。

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実に14Pに亘るこの発言資料。一見すると文字ばかりですが、実際に読み出すとそのあまりの内容に誰もが驚き、読み進めざるを得なくなると思います。また、山下教授の発言の重要な部分は赤、広河のコメントは青で書かれているので、発言のどの部分がどんな問題を含んでいるのか、誰でもわかるようになっている所も大きな特色です。

質問者:先生にイエスかノーで答えていただきたいことが一つあるんですが、明日から天気のいい日は気持ちよく外を散歩していいということでしょうか。
山下:イエスかノーかっていうのは難しいですが、99.9パーセント、イエスです。理由は、これからマイクロシーベルトという単位で出ます。それをよく注目してみて下さい、100マイクロシーベルトまでならなければまったく心配いりませんので、どうぞ胸を張って歩いてください。
(広河コメント:「100マイクロシーベルト以下ならまったく心配はいらない」という言葉と矛盾する「100マイクロシーベルト以下はグレーゾーン」という言葉を山下氏は頻繁に語っている)
質問者:はい。
≪2011年3月20日 いわき市講演(後半のみ)〜P19の一部を抜粋≫

この10月号は、2012年2月号同様、すぐに売り切れになってしまう可能性があります。

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確実に手に入れられたい方はぜひ、お早目にお近くの書店、
または以下のアドレスまでお申込下さい。
info@daysjapan.net
どうぞよろしくお願いします。

営業部
佐藤典子
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