2009年01月11日

ガザ空爆報道のうそ

「罪を正当化できる罪はない」。友人でイスラエルのテルアビブ大学歴史学教授のシュロモー・サンドが授業で生徒に教えている言葉だ。ホロコーストがあったからといって、他者への抑圧はいっさい正当化されないというのだ。日本もヒロシマがあったからといって、それ以前の中国や朝鮮占領で起こったことを正当化できないのと同様に。
1月6日、ガザの学校がイスラエル軍の攻撃を受け、子どもたちを含む多数の死傷者を出した。これらのガザ空爆と侵攻は、どのように正当化され、国民に支持されてきたのだろうか。イスラエルの言い分は、イスラエルの抹殺をスローガンにするハマスがロケット攻撃を行い、犠牲者を多く出しているというものだ。アメリカを先頭に日本を含む世界のメディアはこれにおおむね同調している。「それにしても犠牲が多すぎるから、お互いに冷静になって停戦を」という論調だ。アメリカはイスラエルとまったく歩調をあわせ「ロケット攻撃というテロが終わる可能性がない限り停戦の必要なし」と言っていた。
しかし一方的にハマスがイスラエル人を殺害しているというのは本当なのか。データはまったく異なる事実を示している。英ガーディアン紙によると2001年からこの12月の「戦争」が始まるまでの間に、ロケットによるイスラエル人の死者は16人だった。一方で06年のハマス政権誕生から08年12月6日までの3年間だけでイスラエル軍の攻撃によるパレスチナ人の死者は446人。そして12月の停戦破棄以降のパレスチナ人の犠牲者は1月8日現在で670人以上(AP通信)。06年からあわせると1116人だ。イスラエル側の死者は01年以来の合計で28人である。この内の4人は味方の誤射で殺されている。イスラエル側を被害者のような、あるいはどっちもどっちという主張をしているメディアに決してだまされてはならない。

広河隆一


posted by デイズジャパン at 17:16| Comment(3) | 編集長便り | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。